抹茶&黒豆抹茶だからといって必ずしも和風というわけでもなかったり

日本では明治製菓が展開しているマクビティ(McVitie’s)のブランドはイギリスのUnited Biscuitsという会社のものだそうですが、マクビティといえば全粒粉を使ったダイジェスティブビスケット、中でも片面にチョコレートが塗られた「ミルクチョコレート」という製品が最もポピュラーなのではないでしょうか。私もダイジェスティブビスケットは大好きなのですが、このチョコレートがちょっと甘すぎるように感じるので、これよりも「ダイジェスティブ」という塩味のプレーンなタイプの方が好みです。またその他にも「バニラサンド」や「黒五」「カカオ」「紫いも」などなど全部で8種類ものダイジェスティブビスケットがラインアップされているそうですが、今回はこのうちの一つ、新製品の「抹茶&黒豆」というのをスーパーで見付けたので買って食べてみました。

胚芽入り全粒粉に黒豆を練り込んだダイジェスティブビスケットで抹茶クリームをサンドしました。

ということなのですが、食べてみるとザクザクとした香ばしいビスケットの中に黒豆の持つほのかな甘みと香りが含まれているのが感じられます。またクリームに混ぜられているのは宇治抹茶ということで、渋みと高い香り、そして濃厚な後味は独特のもので、かつ甘すぎずビスケットとの相性もピッタリと、まさに期待したとおりの完成度の高い一品でした。また抹茶と黒豆というとかなり和風な取り合わせに見えますが、食べてみるとそれはあまり意識することもなく、ビスケットとして「アリ」ではないかと思います。まあ、外国人にも受け入れられるか、となるとちょっと難しいような気はするのですが。

ちなみにダイジェスティブ(digestive)とは「消化がいい」という意味ですが、これは生地に多く含まれている重曹が消化の働きを助けるからのようです。重曹というと最近は環境にも優しいということで掃除に使うというのをよく聞きましたが、こんなところでも活躍しているとは知りませんでした。重曹、すなわち炭酸水素ナトリウムには

医薬品としては、胃酸過多に対して制酸剤として使われる。ただし胃酸が中和された時に発生する二酸化炭素の泡が胃を刺激し、さらなる胃液の分泌を促進することが知られている。また、ナトリウムの過剰摂取につながることがある。

というような作用があるのですね。

私は全粒粉の素朴ながら複雑な味わいが好きでダイジェスティブビスケットも好物の一つなのですが、パンなどでも全粒粉の使われているものには飛びついてしまいます。ヨーロッパでは全粒粉のパンというのは一般的なものですが、日本では戦後の復興の過程からかどうも真っ白なパンばかりになってしまい味気なく感じてしまいます。それでも最近は嗜好も多様化してきたということで、様々な製品が売り出される中に全粒粉やライ麦の入ったパンなども含まれるようになりました。カルフールのパン売り場ではかなり本格的なものが売られているのでこれが一番のお気に入りですが、やっぱりそれほど売れているように見えないのでいつまで持つかと不安になってしまいます…というより、一番近かったカルフールの店舗自体が無くなっていることに今気付いてしまいました…無念。