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マスカレード・ホテル (小説)

映画も観てみたい。

昨年暮れ頃から映画の予告で頻繁に流れていて、その頃ちょうど瀬戸弘司のゲーム実況で通称「キムタクが如く」こと「JUDGE EYES:死神の遺言」を観ていたので好感度が上がってしまっていた木村拓哉と長澤まさみが主演していた映画「マスカレード・ホテル」はちょっと気になっていたのですが、基本的に邦画はあまり観ない私なのでこれもAmazon Prime Videoで無料になったときに観よう、くらいの気持ちでいました。まあこれほどの映画であれば無料にはならないような気もしますが。

そんな映画の原作は東野圭吾氏なので、まず間違いなく面白いと思っていたのですが、先日図書館に行った際にその原作本がおすすめコーナーにあるのを見つけ、借りてみたところやはり予想通りに面白く、結局読み始めて2日、のべ4時間足らずで読み切ってしまいました。東野氏はもともと技術者だった理系の人なので、推理小説でも論理の破綻が少なく、理屈として筋が通っているところがある気がして私は好きです。

マスカレード・ホテル (集英社文庫)

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本作は2008年末から連載されていたもので、単行本としては2011年に発刊されたものだということです。映画の予告編でも説明されていたとおり、とある高級ホテルでの殺人の犯行予告があったために警察が潜入して警戒することとなり、フロントスタッフとして潜り込んだ刑事、新田浩介と、できるフロントクラークの山岸尚美を中心に、誰が犯人で誰が被害者になるのかもわからないまま、犯行を未然に防ぐために四苦八苦するというような話です。その中で、ホテルという場所柄さまざまな人が訪れていろいろな事が起こりつつ、事件に関係があるのかないのかわからないというのが面白いところかと思います。

予告編を観ていたおかげで脳内ではキムタクと長澤まさみで映像が再生されてしまいましたが、それには全く違和感がありませんでした。きっと映画でも原作に忠実に映像化されているのではないかと思うので、このあと映画を観たときにも違和感はないような気がします。しかしこの主人公2人以外は誰がどの役を演じているのか知らなかったので、それらの人は脳内映像では顔がない感じでした。

なお、本作はすでに第2作として前日譚の短編集「マスカレード・イブ」と、第3作の続編「マスカレード・ナイト」が出版されており、「マスカレード・イブ」についてもすでに図書館で借りて読んでしまいました。新田と山岸の2人が出会う前にそれぞれが出会った事件・出来事とその解決までを描いたものになっており、「マスカレード・ホテル」からの流れで読むと楽しめるのではないかと思います。ただし、本作のエピローグは「〜ホテル」のネタバレにつながるものになっているので、読む順番は間違えないようにした方がいいでしょう。

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Black Panther

少々主張が強すぎるような気はしますが。

このところアメリカの人種差別を一つのテーマにした作品が続いていますが、今回観たMarvelの「ブラックパンサー」も主役を始めとするキャスト、監督以下のスタッフ、サントラを提供する歌手などその多くを黒人が占めているということで話題となりました。特に黒人社会では「自分たちにもこんなかっこいい映画が作れるんだ」ということで大変な熱気となったようです。Rotten TomatoesのTomatometerも97%と非常に高い評価になっていますが、一方で観客によるスコアは79%と低く、「作品としての価値は高いが面白いかと言うと…」というようなものになっていないかが気がかりでした。しかし実際に観てみると決してそんなことはなく、大いに楽しむことができました。

諸外国にはアフリカの発展途上国の一つとしか認識されていないワカンダという小国が、実は一万年前に落下した隕石に含まれていたヴィブラニウムという希少金属のおかげで経済的にも科学技術的にも先進諸国を凌ぐ驚異的な発展を成し遂げています。そのワカンダを治める王はヴィブラニウム製のスーツに身を包み、代々の王にのみ与えられる特殊な薬草でスーパーパワーを得てブラックパンサーとなり国を守ります。この作品では主人公のT’Challaが王位に就き、ヴィブラニウムを狙うテロリストと戦う中で、これまでヴィブラニウムの秘密を守ってきたワカンダの新しいあり方を見つけることになります。

映画自体は良くも悪くも他のMarvel作品とあまり違いありません。ただ、やはり目立つのは登場人物のほとんどがいわゆる黒人であるということで、白人に虐げられていることに対して抵抗しなければならない、ということが基本的には肯定されているような気がしました。黒人も力を持たなければならない、と言って武器を手にしようとするか、平和的な解決を目指すかだけの違いなのです。日本にいる限りは黒人差別というものを日常生活で意識することはまずありませんが、特にアメリカでは、少なくとも黒人側は、ハリウッド映画に関わるような階層の人々であってもそういう意識が根強いということなのでしょう。

昨年末の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時!」での問題など、日本での各種表現が人種差別だと特にアメリカから批判されることが少なくありませんが、それは自分たちも有色人種とされている日本人が黒人に対して持つ感情が、アメリカの白人が持つものとは相当異なっているためでしょう。もちろんそういうことによって被差別側であるアフリカ系の人々が気を悪くするようなことは避けなければならないので、今回の件について擁護するつもりはありませんが、それを半差別意識の高い白人に攻撃されることには違和感があります。自分たちがそう考えているからといって相手も同じだと思うな、という「自己紹介乙」のようなものですね。

ということで映画自体の話から逸れてしまいましたが、本作はどうもメッセージ色が強すぎるような気がしてなりませんでした。ちなみにT’Challaの16歳の妹Shuriの役は現在24歳になるLetitia Wrightが演じているのですが、彼女はちょっと可愛いですね。ヒロインで恋人のNakiaはアカデミー女優のLupita Nyong’o、そして主役のT’Challa役はChadwick Bosemanですが、彼はこれまでに何度かアベンジャーズシリーズに出演してきているので顔なじみですね。まあ、黒人にもかっこいい映画はできるんだ、ということについては全くそのとおりだと思います。

The Circle

結末に不満あり。

今年は11月から12月にかけて、毎週末に観たい映画の公開が続いていて嬉しいような困ったようなというところなのですが、先週末は出掛けていたので「マイティ・ソー バトルロイヤル」はちょっと見送りました。Marvel作品群は長男も好きで観たがっているのですが、大学受験を控えているため自制しているので、私も受験が終わったあとにAmazonかAppleかの動画配信で観ようかと思っています。

ということで今週はHermioneことEmma Watson主演の「ザ・サークル」を観てきました。映画として面白いかどうかだけではなく、ネットワーク界隈の話題としておさえておくべきところではないかと思って気になっていました。Emma演じるMae HollandがThe CircleというIT企業の顧客窓口として働き始めてしばらくして、CEOであるEamon Baileyの目に留まってSeeChangeなるSNSで私生活を含めてトイレ以外の24時間すべて公開することになりますが、これによって世界中から多くの視聴者を集めることになりますが、Mae自身と身近な人々に様々な影響を及ぼすことになる、というものです。

SeeChangeについて、現時点では送信側のデバイスは現在の技術で実現できるものではないと思いますが、それ以外のインフラや受信側についてはすぐにでも実現可能なもの、というより最近始まったInstagramのStoriesのようなものとそれほど違うものではないかもしれません。SNSで日常を公にすることについては私も妻にあれこれ言われていますが、現状はあくまで主体的なものであり、それが自動的なものになるというのはさすがに私でもかなりの抵抗があります。いくらさらけ出しているように見える人でも、相当限定的なものでしょう。

The CircleのCEOを演じているのがTom Hanksなのですが、本当にカリスマのある経営者のように説得力のあるプレゼンテーションに見えました。Steve Jobsなどのプレゼンテーションを研究したことは間違いないでしょうが、研究材料には事欠かないのではないでしょうか。また、The CircleのキャンパスもAppleの新社屋やGoogle、Facebookのキャンパスを彷彿とさせるものになっていますが、映画用にさらにそれを極端にした感じでしょうか。

このあたりの業界に関心の強い私には終盤までなかなか楽しむことができたのですが、最後の最後、肝心なところが尻すぼみになってしまったような感じでとても欲求不満の貯まるような終わり方になっているのがとても残念でした。しかし、これは映像化の時点でうまく描けなかっただけでDave Eggersによる原作ではうまくまとめられているのではないかという気がするので、ぜひ読んでみようと思っています。その際にはこの映画で見たイメージが重なり合ってよりリアルに感じられるのではないでしょうか。

ザ・サークル

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