JR東日本今後も私が利用することはなさそうですが…

JR各社の列車には「グリーン車」というものが連結されていて、追加料金を支払うことで装備が豪華だったり専有面積が広かったりする車両に乗ることができますが、これは1969年に廃止された等級制に変わるものとして生まれたもので、それまでの一等車に当たるものです。今でも諸外国では1st classというものがあって同様の差別化が行われているかと思いますが、この呼び換えにはどういう意味があるのでしょうか。「一等」と言った方がストレートでいいと思うのですが、「差別は良くない」という感覚なのでしょうか。

それはともかく、今のグリーン料金というのは得られるメリットに対してどうも割高に思えて私は一度も利用したことがありません。そもそもあまり特急などに乗る機会もありませんし、出張の時にグリーン車に乗せてくれるような気の利いた会社でもないのですが、それにしても大したことがない割にずいぶんと高いのではないかと思います。まあ本当のお金持ちはそんなことなど気にもせずにいつでもグリーン車なのでしょうが…

しかし、近年早割など低価格化の進む飛行機との競争は前後の接続の良さなどから優位に進んでいる新幹線も、最近各社が国内線にも導入してきているクラスJファーストクラスプレミアムクラスなどのスーパーシートによる高級化路線には現行のグリーン車では力不足と考えたのか、JR東日本は2010年末の東北新幹線の新青森開通にあわせてE5系はやて「スーパーグリーン車」なる上級クラスを設定する発表(PDF)しました。

プレスリリースによると座席配列は2+1の3列、シートピッチは1300mmということで、座席数は現行グリーン車の51席に対してわずか18席となり、車内はかなりゆとりのあるものとなるようです。掲載されているイメージ図に描かれている座席はまさに飛行機のファーストクラスのそれです。専任アテンダントまでつくということですが、一体どんなもてなしがあるのでしょうか。一方で座席数は一気に1/3ほどに減ってしまっていますから、追加料金も現行グリーン料金の3倍ほどになってしまうのでしょうか。私には全く縁遠い話になってしまいましたが…

しかし、こういったプレミアム感はないものの、二十数年前に私が乗ったイギリスのInterCityという特急では1st classの座席は1+2の3列でしたから、それ自体はさほど驚くものではありません。2nd classでも2+2の4列でしたから、むしろ普通車の2+3の5列というのが詰め込み過ぎです。狭軌の在来線が4列だから標準軌の新幹線は1列増やそうということなのでしょうが、いかにもゆとりのない高度成長期に考えそうなもので、それを何十年も引きずっているというのも何とかならないものかと思います。

それにしても「グリーン車」っていう呼び名もどうなのでしょう。「シルバーシート」にしても意味不明ですよね。定着しているからとあえて変える気はないのでしょうが、「スーパーグリーン」となるとますますなんだかわかりませんから、いっそのこと「ファーストクラス」としてしまった方がいいのではないでしょうか。まあどうせ乗ることはないでしょうし、別にどうでもいいのですが。