SUBARUついに恐れていたときがやってきてしまうのか…

今から2年半ほど前、「トヨタが富士重工の筆頭株主に」というニュースについて書いていますが、それからこれまでは業務上の関係はほとんど無く、トヨタは一体何のために出資したのだろうかと不思議に思っていたのですが、実際には水面下では着実に計画が進行していたようで、ついに「トヨタ・ダイハツ・富士重、開発・生産における新たな協力関係に合意」(PDF)という発表が3社の連名で行われました。

発表の内容は

トヨタ自動車(以下トヨタ)、ダイハツ工業(以下ダイハツ)、富士重工業(以下富士重)は、開発・生産における協力関係を発展させ、各社の持つ技術力を活用して、新たな商品ラインアップ、開発体制を構築していくことで合意した。

ということで、具体的な内容としては以下の3点が挙げられています。

(1) 小型FRスポーツ車をトヨタと富士重が共同開発し、両社で市場展開
(2) トヨタから富士重へ小型車をOEM供給
(3) ダイハツから富士重へ、軽自動車と小型車「クー」をOEM供給

富士重工の開発予算はトヨタのそれのおよそ1/20ほどしかないということで、その限られたリソースをスポーツ車開発に集中させようということのようです。新聞記事では「軽自動車から撤退」というようなショッキングな見出しが躍っていましたが、プレスリリースでは直接的にそうとは言っていないものの、残念ながら事実上はそういうことになってしまいそうです。

富士重工といえばスバル360以来の伝統を持つ軽自動車メーカーですが、であると同時に70年代以降はレオーネにより四駆のスバルと世界に認められ、さらに日本で初めてCVTを導入し、世界中でスバルとポルシェだけが水平対向エンジンの量産を行っている、という技術にかなりのこだわりを持った会社です。しかしながらあまりに個性的すぎる車作りが時として世間に受け入れられず、商売としてはあまり成功しているとは言えないでしょう。私はアルシオーネSVXなんて凄く好きなんですけど。モーターショーで見たエボリューションモデルの格好良さは今でも忘れられません。

そんなオンリーワンの輝きを持つ会社が没個性の象徴のようなトヨタの色に染まってしまうのはとても見ていられませんが、企業である限り利益が上げられなければ仕方ありませんからね…しかしこうなると私が待ち望んでいる水平対向ディーゼルのレガシィは登場するのでしょうか。たとえどんなにいいエンジンでも、トヨタ車に載っているのだったら私は買わないだろうと思いますが…