Illuminated Keyboardキーボードにも付加価値が必要?

アメリカのPC周辺機器メーカー大手であるLogitechの名前は日本ではあまりお馴染みではないかもしれません。というのも、日本には以前から同音で1文字だけ綴りの違う「ロジテック」(Logitec)という競合する会社が以前からあったので、日本では「ロジクール」という名前で展開しているためです。なので通常日本で「ロジテック」と言えばLogitecを指すのでしょうが、私はLogitechの方が馴染みがあったので「ロジクール」と呼ぶのはちょっと抵抗があります。

Logitechの製品はそれほど品質が高いというわけではありませんが、使いやすさと洗練されたデザインを両立しつつユニークな商品を提供していて、私もこれまでにいくつも購入してきましたが失望させられたことはありません。マウスやキーボードについてはMicrosoftとシェアを2分するような状態かと思いますが、これはその魅力が認められていることの裏付けと言えるのではないでしょうか。

このLogitechがちょっと前に凄まじい新製品ラッシュに湧いていました。最近は一段落ついているようですが、一時期は毎日一つずつ新製品が発表されるような状態で一体どうなっているのかというような感じでした。その一連の製品の中でひときわ私の目を引いたのは”Illuminated Keyboard“という製品でした。その名前だけでも「これは!」と色めき立ってしまうものの、キーボードは今使っているHHK2があるし、なにより使い慣れたUS配列のものが発売されないということで逡巡した挙げ句、結局Amazonの底値を見計らって注文してしまいました。

ロジクール ロジクール イルミネート キーボード CZ-900
メーカー:ロジクール
ロジクール (2008/10/24)
ISBN/ASIN:B001GBSLYO

このキーボードの一番の特徴は何といってもその名前からわかる通り「キーが光る」ということです。MacBook Proのようにキー一つ一つに光ファイバーで配光されるような緻密な作りではないためキーの間から微かな光が漏れるものの、白色LEDによるイルミネーションは明るさのムラも気になるほどではありません。照度はキー一つで3段階と消灯とを順に変えることが可能ですが、最大光量なら明るい部屋でもキートップもくっきり見える十分な明るさです。また照度を変更したときにパッと切り替わってしまうのではなく、じわっと変わっていくような演出になっているところは安っぽくなくていいですね。高級品というわけではないものの定価1万円ほどの商品ですから、こういう気遣いも大切だと思います。

本質であるキーボードとしての評価は好みの分かれるところかと思いますが、Logitech史上最薄という「9.3mmの超薄型フォルム」でありながらそこそこのキーストロークがあり、並のノートPCのキーボードとは違うと言えるでしょう。まあキーボードだけでこの値段なのだから当然といえば当然ですが…私が購入したのは日本語キーボードですが、キートップにはカナ文字の印字(?)がなくスッキリした見た目がイルミネーションに映えます。スペースバーの短さと一部キーの日本語の印字がごちゃごちゃして見えるのは残念ですが、US配列と記号の配置が違うことに比べれば大した問題ではないとも言えます。

また、ファンクションキーには”FN”キーとの組み合わせでそれぞれブラウザやメールソフト、メディアプレイヤーなどを起動する機能を割り付けることができ、使う人には便利なのでしょうが、特にこういう機能を必要としていない私にとってはオレンジ色に着色されてしまっているこれらのキーが若干目障りといえば目障りです。タイピングの際にはいちいちキーを見るわけではないのでキートップなどどうでもいいと言えばその通りなのですが、それなら光る必要もないということでこの製品の存在価値自体が疑わしくなってしまいます。

結局のところ、このキーボードは使わないときに眺めて満足感に浸る、そんな製品なのでしょうが、そういう意味では全く期待を裏切るようなことはありませんでした。オレンジ色のキーも気にしなければどうということはありませんし、光り輝くキーの魅力に比べればどうということはなく、US配列からJIS配列への移行も我慢できてしまいました。本当はUS配列のものが入手できればそれに越したことはないのですが…