メタルファイト ベイブレードシンプルな伝統玩具もなかなか奥が深い。

今はもう小学生は言うに及ばず幼稚園児までもが1人1台以上のニンテンドーDSなどのゲーム機を持っているような状況で、誕生日やクリスマスのプレゼントはゲームソフトということも多いのではないでしょうか。買い与える方は悩む必要がなくて楽だとは思いますが、その子が喜ぶものは何なのかを考えること自体も愛情でありプレゼントの一部なのではないかという考えからすると、言われた通りのものを買うだけというのは心のこもった贈り物からほど遠いのではないかと思ってしまいます。また、ソフト1本というのもポンと与えるには少々高価です。

当初から我が家ではゲーム機は自分で稼いだ金で買えるようになるまでは買わせないという方針なので、我が子らは完全に諦めていてもはや買ってくれとも言いませんが、それでも他に遊び方はいくらでもあるので全く退屈するようなことはなく、むしろアレもやらなきゃ、コレもやらなきゃというような状態ではないかと思います。ゲーム機なんてないならないで全く困るようなことはないわけです。実は私はむしろゲーム好きな方なのですが、自分自身ははまると他のことができなくなるので避けるようにしていて、子供に対しては作られた枠組みの中で遊ばされるだけなので想像力を育む機会を失うような気がして与えたくないのです。まあ、買ってきたおもちゃで決められた通りに遊ぶだけならゲーム機とさほど違いはないかもしれませんが、実際に手や身体を使って自分なりの工夫を加えながら遊ぶというのが大事ではないでしょうか。

ということで、最近我が家で流行り始めたのはベイブレードです。8年ほど前に小学生らの間で一大ブームとなったもので、私もつい最近まで「まだあったの?」という状態だったのですが、実は最近またちょっと進化して再びブームとなりつつあるようです。伝統的なベーゴマ遊びを現代風にアレンジし、回すだけでも難しかったものをシューターとワインダーという道具を使うことで誰でも簡単に回せるようにしたもので、ただ回すだけであれば幼稚園児でも何の苦もありません。そうして回したコマをぶつけ合い、回転が止まるか場外に飛び出てしまった方が負けというのはベーゴマと同じです。

昨年夏に4年ぶりに復活したという最新のシリーズは「メタルファイト ベイブレード」という名前になっている通り、コマの主要部分が金属製になっているのでコマの慣性が大きくなったこととぶつかり合う時の「カンカン」という金属音により迫力が増しているというわけです。またコマは4つのパーツに分解することができ、それぞれいくつかの形状が用意されていて動きに特徴が付けられていて、これらのパーツを自由に組み合わせることで数百通りものコマを作り上げることができるというところが奥行きを与えています。

遊び方自体は単純なものですが、使うパーツによって如実に違う動きをするため対戦相手との相性のようなものもあって、単純にどのパーツを使うと強いと言えるようなものでもないのがなかなか面白く、結構親も一緒に楽しめます。また大人の方が強いというものでもないので、幼児相手でも手を抜いてあげる必要がないというのも気楽でいいかもしれません。1回の対戦にはものの1分もかからないというのもまた手軽でいいところではないでしょうか。

子供の頃にベーゴマで遊んだ世代の人からすればちょっと軟弱なように思われるかもしれませんが、伝統的な遊びがこのような形で復活しているというのはいいことではないでしょうか。ただ、単純な作りの割にはちょっと高いような気もするのですよね…たかがコマ一つかと思うと500円以上というのは…

ベイブレード BB-20 ベイバトルトライセット
メーカー:タカラトミー
タカラトミー (2008/10/23)
ISBN/ASIN:B001B1QYB6