遅れてやってきたブーム。

ちょうど30年ほど前の事になりますが、模型店や玩具店に小中学生らが列をなす社会現象がありました。いわゆるガンプラブームで、アニメ「機動戦士ガンダム」のモビルスーツ等のプラモデルが品薄で、それを買い求める子供達が行列し、誰も彼もがガンプラに夢中になっていたような感じでした。しかし私はその頃からひねくれていて、流行っていると聞けば聞くほど遠ざかりたくなってしまうので全く関心を持っていなかったのですが、何故かそういう人に限って縁があるもので、知人の好意の連鎖で1/60スケールの巨大なガンダムを頂いてしまったりしました。当時はありがたみもわからず雑に組み立てて、適当に遊んでもったいないことをしたものです。

それから長い年月を経て、昨年末にたまたまテレビをつけたとき、「SDガンダム三国伝」という番組をやっていて、次男がこれに釘付けになりました。「SD」というのは「スーパーデフォルメ」の略で、「極端にデフォルメされたガンダムのモビルスーツたちが登場人物となった三国志をベースにした物語」という実に奇妙なアニメ番組なのですが、これに登場する「曹操ガンダム」がカッコイイ、と。実は私もはるか昔に光栄のゲームで遊んだだけで三国志はよく知らないので偉そうなことは言えないのですが、曹操がガンダムだなんて訳が分かりません。しかし次男はしっかり食いついていて、「サンタクロースにお願いする!!」とのことだったため、サンタは願いを聞いて持ってきたのでした。

それがこの「真 紅蓮装 曹操ガンダム・絶影」というキットです。これまでプラモデルを作ったことなどなかったので、「こんなの一人で作れるのかな?」と思いつつ、冬休みの間にのんびり作らせればよいかと思っていたところ、何のことはない、すっかり熱中して数時間のうちに完成させてしまいました。そんな姿を見ているとなんだか私も作りたくなってしまい、また次男ももう一体お年玉で買いたいということなので、年始に入ってから一緒に買いに行ってみました。店頭には数多くのガンプラが並んでいて、またシリーズもいくつかあり、どれを買うべきか迷ってしまいますが、マスターグレードというのが大きくてよく出来ていそうだということでこれに、また最初はやはり一番好きなモビルスーツにするべきだろうということで、なんとなく好きだったリック・ドムにしました。といってもガンダム自体もそれほど好きだったわけではないのであまり良く知らないのですが…

今のガンプラが素晴らしいのは、接着剤も塗料も不要でそれなりの見栄えのものが出来てしまうということです。私がプラモデルにのめり込まなかった理由の一つが接着剤と塗料で、慎重さと根気に欠け決して器用でない私はついうっかり変なところに接着剤で指紋をつけてしまったり、塗料を塗る筆先がブレてしまったりして台無しにしてしまうのが嫌だったのと、またあのシンナー臭も苦手だったのでした。しかし、マスターグレードに限らず最近のガンプラははめ込むだけのスナップフィットでパーツを組み上げることができ、またパーツごとに細く微妙な色がついているためそのまま組み立ててもちゃんとした色のモデルになるのです。まあこれは鮮やかな彩色が多いガンプラならではかもしれませんが、これらのおかげで敷居がぐんと低くなっているのは間違いないでしょう。

ということで私もすっかり組み立てにのめり込みましたが、3時間ほどは大いに楽しむことができました。完成したモデルは様々なアクションが可能な凝った構造になっていて、組み立てながら感心してしまいました。といってもこれは決して最新のキットではなく、発売からすでに8年が経過しているのです。それでは一体最新のガンプラとはどうなっているのか…ということでつい2ヶ月弱前に発売されたばかりの「リアルグレード」をすでに買ってしまっていたりします。こちらの方は先週末に半分ほど組み上げて、残りは今週末に仕上げるつもりですが、楽しいです。しかし問題は出来上がったモデルをどこに置くかということで…