使い込むほどに良さを感じそう。
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知らないうちは無くて困るものではなくても、一度知ってしまうと元に戻れない、良いものというのはそういうものだと思いますが、このTourBoxもその一つかもしれません。普通の人にはそんなに必要なものには見えなくても、使ってみると確かに効率が良く、地味に便利という感じです。

これは一体何なのかというと、私が好きなPCのインタフェース機器で、PhotoshopLightroomなどクリエイティブなソフトウェアを物理的なボタンやダイヤルで操作するための入力機器になります。

日本のクラウドファンディングの一つMakuakeでも昨年末にプロジェクトが公開されていたものですが、すでに通常販売も開始されています。私は以前からちょっと気になっていたもののちょっと安っぽいように見えたので保留していたのですが、最近になってあちらこちらのブログに複数のレビュー記事が出ており、「質感が高い」というコメントがあったためそれを信じて購入に踏み切ったという感じです。あえてそう言うからには「実は嘘」ということはないでしょう。注文してからは中国邮政トラッキングを睨みながら、というか何度もリロードしながら到着を待っていたのですが、届くまではちょうど一週間ほどでした。

最初のソフトウェアはやや不安定で、Lightroomを起動して操作しても反応してくれないというようなことがありましたが、たまたま届いて数日後にファームウェアとデスクトップアプリケーションがアップデートされて安定するようになりました。私は不満を持つのが数日で済んだから良かったものの、何ヶ月もあのままだったら失望して使わなくなっていたかもしれません。ソフトウェアの品質というのはやはり重要ですね、とソフトウェアエンジニアの端くれとして自戒しました。

なお、Lightroomのための入力デバイスとしてはLoupedeckが先行していましたが、これはすごくかっこいいし編集が捗りそうではあるのですがちょっと高いですし、あまりにLightroomに特化されているのでいつまで使えるのかというような不安もありました。その点、このTourBoxは汎用性の高いボタン、ダイヤル、ノブなどからなっていて、それをTourBox Consoleというソフトウェアで様々な機能に割り当てることができるので、Lightroomに限らずどんなアプリケーションでも使用することができそうです。

TourBoxを使ったからといってマウスやキーボードの操作が要らなくなるわけではないのですが、これまで画面上のスライダーをピクセル単位で気を使って動かしていたものがつまみを回して調節できるようになるのですから、それだけでも利便性は大きく向上しました。また、各種ボタンに割り当てられた項目に1プッシュで移動することができるのも非常に便利です。このボタンやダイヤルの割付はアプリケーションごとに自由に設定することができますが、今のところ私は初期プリセットの状態で使ってみています。それでも十分に効率が良くなっていることが実感できますが、今後他のユーザーのノウハウが共有されるとさらに手放せないものになるでしょう。

ということで、安くはない買い物ですが、写真の現像やビデオの編集、その他様々なクリエイティブな作業を日常的にしている人ならすぐに元が取れるのではないかと思います。実際に時間イコールお金であるプロフェッショナルの仕事ではなくても、アマチュアの趣味でもとても気分よく作業できるようになりますから、趣味こそそういう事が重要ではないでしょうか。