今月はじめから最長1年間、一部のAMラジオ局が放送を休止するとのことです。AM中波放送は送信アンテナが大規模なものとなり維持コストの負担が困難となっているため、FM放送への転換や廃止を検討する事業者が増えているらしく、今回の放送休止はその影響調査のためのものだそうです。

こうして一旦休止してしまうとスポンサーが離れてしまって再開しても元に戻るのかは怪しいものですし、休止している間の人員や設備の維持も必要なので、これが事実上の廃止になってしまうのではないかというのは邪推でしょうか。そもそも放送自体が赤字なので、休止しても負担は減りこそすれ増えはしないということではありませんよね。

実際問題として、AMラジオの聴取者というのは現在どの程度いるものなのでしょうか。私の祖父が目覚まし代わりに毎朝聴いていたのは覚えていますが、その他に身の回りにラジオを聞く人があまりいなかったのでよくわかりません。あとはタクシーの運転手が聴いているイメージでしょうか。

FMワイド放送に対応済みの放送局も多いようなので、AMでなければいけないということはもうなくなってきているのでしょう。あとは、山陰にも回り込みやすい中波放送の利点を送信局数を増やしてカバーすることが必要なくらいではないでしょうか。AMラジオはシンプルな装置で受信できるのも長所ですが、現在はFMラジオもだいぶ安価にできるようになっているので、そのメリットも薄れているのではないでしょうか。

おそらく私の世代より若い人たちのほとんどはラジオ自体あまり聴かなくなってしまっているのではないでしょうか。車を運転しているときに聴いているという人はいそうですが、そのくらいではないかという気がします。私自身は車に付いているもの以外にラジオの受信機を持っていませんが、もし聴きたいと思ったらRadikoを使えば済む話です。しかし、もはや放送はなくてもインターネットさえあればいいのでは、というのはさすがに暴論でしょうね。