N700やっぱり鉄分多め。

企業に勤めるサラリーマンにも関わらず、通勤はTシャツと短パン、出社後はほとんど自分の職場から出ることもなく、出張は年に数回という日常を送っている私は、その滅多にない出張の度に学生時代に親に買ってもらったカビ臭いスーツを引っ張り出してくる有様なのですが、次にいつ必要になるのかも判らないので新調するチャンスが掴めずにいます。まあ1年に1度も着ないということはないような気がするので買ってしまえばいいのだと思いますが、夏物を買ったと思ったら寒くなってから出張が…ということになるとまた困ってしまいます。

それはさておき、今日はその珍しい出張ということで新幹線に乗って東京へ向かっています。「います」と現在進行形なのは今新幹線の車中にいてこの文章を書いているからなのですが、今乗っているのは昨年運用が開始された東海道山陽新幹線の最新型車両、N700系です。デビューからすでに1年が経過してはいるのですが、新しもの好きな私がたまにしかない新幹線に乗る機会なのですから、逃すわけにはいきません。

残念なことに、私の乗る最寄り駅に停車するのぞみでは朝と夜遅くにしかN700系が使われておらず、日中は東京-博多を最短で結ぶ列車のみで運用されているようです。最初に会社で予約してもらったときには乗り換えなしの列車の指定席を取ってもらったのですが、駅へ向かうまでの間に思い付き、駅のみどりの窓口で新大阪からN700系に乗れるよう指定券を変更してもらいました。

ということで、わざわざ新大阪で乗り換える手間と時間をかけ、念願のN700系に今乗車しているわけなのですが、うまい具合に窓側の席を取ることができたのでPCの電源を確保することができました。これがなければバッテリのヘタった私のiBook G4では30分くらいしか保たず、こんな文章を書いているうちにすぐ切れてしまうので大事なことです。

列車としての乗り心地としては、騒音についてはかすかに静かになったかもしれないという程度の違いで、相変わらずといえば相変わらずなのであまり期待しない方がいいでしょう。しかし揺れに関しては従来の700系に比べると横揺れに対する揺り返しが殆んど感じられないくらいにうまくダンピングが効いていて、不快な感じがありません。また車両全体の剛性感が上がっているような、軽量化されているような感じもあります。

車両としては目玉の振り子機構が効いているのかどうかはわかりませんが、最高速度300km/hを実現できたということなら効果があるということなのでしょう。あまりにさり気なさすぎて注意していないと動作していることもわからないと思いますが、15年前にイタリアで乗った振り子列車はわざとらしいくらい大袈裟に傾いていたもので、このさり気なさは技術の進歩というものなのかもしれません。

車内で目につくところでは文字情報の表示板が従来のものの3倍ほどの面積のカラーLEDのパネルに変更されていて、かなり見易くなっています。一度乗ってしまうと数時間座っていなければならず、どうしても退屈しがちなので、実は結構これがあって助かっているという人もいるのではないでしょうか。本当は飛行機並みとは言わないまでももっと充実したものになるといいのではないかと思いますが、あまり贅沢を言って料金を上げられては意味がありませんね。

ということで、たかが新幹線でいろいろ語ってしまう私ですが、関心のない人にとってはいつも通りの新幹線であって、ただ新しくて綺麗なだけでしょうね。そういえばシートの幅が微妙に拡がっているという話だったかと思いますが、それはあまりわかりません。新大阪まで乗っていたこだまは2+2列のグリーン車のシートが使われていたので、それと比べると…やっぱりどうも貧乏臭いので2+3列に積めこむのはやめて欲しいものですが、輸送力の限界と戦っている路線ですから諦めるしかないのでしょうね。