頭部MRI画像頭を使うのは楽しい。

「頭が良い」というのはどういう事なのでしょうか。

一番簡単なのは学校の成績が良い、テストで高い点数を取ることができる、ということです。これは得点などの形で明確に評価がわかり比較しやすいですし、実際に頭の良い人は子供の頃から高い評価を得ることが多いかもしれません。しかし、学校の成績が良く一流大学を卒業したからといって必ずしも頭が良い、賢いとは限らず、どうにも要領が悪くうだつの上がらない人というのもいるものです。いわゆる努力型の人は、もちろんその努力そのものは評価されて然るべきだと思いますが、「頭が良い」というのとは違うものでしょう。また、社会で「この人は頭が良い」と言われている人が良い成績を取っていたか、輝かしい学歴を持っているかというと、それもまた必ずしもそうではありません。

ではいったい「頭が良い」と言われるのは何なのでしょう。それは「頭の回転が速い」と言い換えることができるのかもしれません。つまり、物事を様々な角度から見て短時間のうちに把握する能力に長けているということではないでしょうか。一瞬のうちに物事の真実を見極め、誰よりも早く最善の答えを導き出す、それが出来れば「頭が良い」のは間違いありません。

しかし、学校の成績を上げるのは一生懸命勉強すればそれこそ誰にでもなんとかなるものですが、本当に頭が良い人になるにはどうしたらよいのでしょうか。私も親として、自分の子供には優秀な人間になってもらいたいと思い、学校の成績には頓着しませんが、考える力を身につけて欲しくて色々考えてきたつもりです。そして、結局自分には何が役に立ったのだろうかと考えてみると、「それは『頭の体操』なのではないか」と先日テレビの「世界一受けたい授業」に出ている多胡輝氏を見ていて思い当たりました。私が毎週のように行っていた祖父の家にはこの「頭の体操」のシリーズが十何冊揃っていて、それが好きでよく見ていたのでした。

このシリーズは要するにクイズ、なぞなぞの類の本なのですが、知識を試すものや言葉遊びのようなものとは一線を画し、考えることを求められるものになっています。また、問題にはそれぞれ制限時間が設けられているのですが、短いものでは10秒、長いものでは1時間というものまであります。もっと長いものもあるのかもしれません。1966年に第1集が発売されて以来、これまでに第23集まで発売されてそれぞれベストセラーとなっているようです。

この本の著者がテレビに出ていた多胡輝氏なのですが、それを見ていた子供たちがとても興味を持っていたのでこれは是非買ってやりたいと思ったものの、23巻もあってはどれを買うべきなのか迷ってしまいます。第1集から買っていくとキリがなさそうです。どうしようかなーと思いながらAmazonを見てみると「全23集・総数約2000問のなかから、究極の100問をセレクト。」という「頭の体操 BEST」といううってつけの本が出ているのを見つけたので、まずはこれを買って、やっぱり面白いと思うなら1冊ずつ買えば良いではないか、ということにしました。

頭の体操 BEST
著:多湖 輝
光文社 (2009/08/20)
ISBN/ASIN:4334975852

ということで届いたものはやはり面白いらしく、長男も次男もそれぞれ楽しんで見ています。私もかなり久しぶりに目にしましたが、はっきりとではなくとも解いた覚えのある問題が多く、ある程度の割合では正解することができました。しかし、これも一発で正解にたどり着くことができなくても、答えを見る前に様々な角度から考える、その過程が頭の回転を良くするために役立つのではないでしょうか。それは子供たちだけではなく、回転が鈍り勝ちになってきた私たちにも良いはずです。

ちなみに、私が子供の頃に見て非常に強い印象を受け、そして日頃から子供たちにもその答えを言っている問題が、このBESTに収録されているので、最後にそれを引用しておきます。答は載せないので、気になる人はお買い求めになると良いでしょう。きっと楽しめるはずです。

二人のけちな酒飲みがいる。形の違うコップが二つだけあり、そのいっぽうに酒がつがれている。この一杯を、二人で分けて飲もうということになったが、両方から、ぜったいに文句の出ないように酒を分けるにはどうすればよいか。(制限時間20分)