水備えあれば憂いなし、とは言いますが。

阪神大震災を上回る死者・行方不明者を出す未曽有の大災害となった東北地方太平洋沖地震の発生から2週間が経過しましたが、未だに余震が続き、沢山の人々が避難所で心細い思いをされていることかと思います。また、関東地方の東京電力管内では不定期に計画停電が行われ、不自由な生活を余儀なくされている方も多いことでしょう。幸いにも関西では日々の生活に直接的な影響は受けておらず、被災した方々とは比べものにならないまでも、勤務先で部品調達に大きな問題があり、私の仕事もこれからしばらく大変なことになりそうではあります。

今回の震災でこれまでの大地震と違う点の一つが福島第一原子力発電所の事故です。地震による津波の規模が想定外のものであったということで、地震発生2週間後の今も終息の兆しが見えず、政府や東京電力の対応も後手後手に回っている印象があります。もちろん現場の方々は自身の身を挺して危険な作業に当たっているわけですし、対策本部の方々も不眠不休でその時その時の最良の対策を取られているのでしょうから、こういった方々を非難するのは全くの筋違いです。今はただ一刻も早く事態が終息することを願うばかりで、その後は今回の反省点を今後の対策に活かしてもらえればということです。きっとマスコミはどこかの時点で責任追及に走ることでしょうが、そんなことは大して意味の有ることではありません。

ところで、マスコミでは触れられなかったかと思いますが、初期の段階で原子炉内の圧力を下げるために「ベント」という作業が行われましたが、この時大気中にDHMO(一酸化二水素 Dihydrogen Monoxide)という非常に危険な物質が放出されたということがTwitter界隈では話題になっていました。これがどんな物質かというと、

DHMOとは、

  • 水酸と呼ばれ、酸性雨の主成分である。
  • 温室効果を引き起こす。
  • 重篤なやけどの原因となりうる。
  • 地形の侵食を引き起こす。
  • 多くの材料の腐食を進行させ、さび付かせる。
  • 電気事故の原因となり、自動車のブレーキの効果を低下させる。
  • 末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。

その危険性に反して、DHMOは頻繁に用いられている。

  • 工業用の溶媒、冷却材として用いられる。
  • 原子力発電所で用いられる。
  • 発泡スチロールの製造に用いられる。
  • 防火剤として用いられる。
  • 各種の残酷な動物実験に用いられる。
  • 防虫剤の散布に用いられる。洗浄した後もDHMOは残留し、産物に悪影響を与える。
  • 各種のジャンク・フードや、その他の食品に添加されている。

という大変恐ろしい物質なのですが…とまあ勘の良い人なら気付くでしょうが、これは要するにH2O、水のことです。確かにベントの際に逃がされたのは水蒸気ですから、嘘ではないわけです。一部の人はこれがジョークだと分からずに大騒ぎしてしまったようですが、一つのものでも見方によって大きく変わるという良い例ではないでしょうか。原発自体も恐怖を植え付けるようなことばかり言う人がいる一方、私たちがこれまでの生活レベルを続けていくためには不可欠なものとなっているのもまた事実ですね。

ということですが、原発から飛んで来るものはDHMOばかりではないということで、東京都の浄水場で放射性物質が検出されたというのもまた世間を騒がせている話です。この結果、首都圏はもとより全国的にミネラルウォーターが品切れになる事態となっています。現在のレベルでは一般成人に影響が見られることはないと言われていますが、今後どういう方向に進むかもわからない今、人々を不安に陥れるには十分なニュースですから無理もありません。私の実家からも送って欲しいと要望があり、近所のスーパーなどでは手に入らなかったものの、市街地からちょっと離れたコンビニで何とか見つけたので購入しておきました。水を送るために物の値段の何倍もの送料を払うなんてバカバカしいという気がしてしまうのですが、そうも言っていられません。

それにしても、地震の被害は全く無く、原発からも遠く離れている私たちの街でも品切れになってしまうというのはどういう事なのでしょう。私のように親戚や知人に送るために買うという人がそう多いとも思えませんが、ニュースを聞いて不安になり、もしものためにと買いだめに走っているのでしょうか。それならそれでしばらくすればほとぼりも冷めて再び出回るようになるでしょうからいいのですが、こういった事のせいで本当に必要な人たちに届かないというようなことがないかが心配です。東北地方に優先的に回しているから品薄なのだということであれば良いのですが、その割には日配品以外で目立って不足しているのが水だけなので…