Google+三度目の正直?

マイクロソフトの力が徐々に弱まってきたように見える昨今、ネット時代の覇者と言えるであろうGoogleにも苦手なものはあるようで、何でも成功しているというわけではありません。その上手くいかないものの代表がSNSで、これまでにOrkutGoogle Waveなどいろいろ試してはフェードアウトするというのが続いています。Orkutはもともと20%ルールから始まったものですが、どういうわけかブラジルとインドでは今でも高い人気を誇るものの、その他の国では今ひとつなのでブラジルに本拠地を移してしまったそうです。一方Waveの方は鳴り物入りで始まったと思ったらあっという間に終わってしまったというような感じでした。

しかし、Facebookばかりに話題をさらわれているわけには行きませんから、Googleもまた次の手を打ってきましたが、それがGoogle+というものです。現在はまだクローズドベータということで招待制になっていますが、すでにユーザ数が1000万人を超えたと報じられていますから、新しもの好きの人たちはすでにほとんど取り込まれているのではないでしょうか。

ということで新しもの好きかつGoogleの追っかけとしては試さずにいられなかったわけですが、私も友人に招待してもらって参加することができました。さすがにFacebookに対して後発になりますので、よく研究されているのが分かりますが、やはりGoogleらしさもだいぶ残っているように感じます。Facebookについては「友達の友達はみんな友達」であるところが問題だと言いましたが、これに対するGoogleの回答は「サークル」と呼ばれるものです。このサークルに人々を分類していくことで、友達の輪をいくつかに分けることができるようになります。またこのサークルに分類していくためのユーザインタフェースもちょっと凝っていて、人のアイコンをリング状のサークルにドラッグアンドドロップするとリングに取り込まれたり、サークルにカーソルを当てるとそのサークルに含まれている人のアイコンがハイライトされたりと、よくできてはいてもそっけないFacebookよりも好みだという人も多いようです。また、Facebookでいうところのウォールもサークルごとに分けてみることができるのも便利かもしれません。

今のところの問題点はといえば、ひとつはiPhone用のアプリがリリースされていないということでしょうか。Googleはすでに開発を終えてAppleの承認待ちとなっているようですが、果たして公開前のサービスのためのアプリが認可されるものなのかどうかは疑問です。しかし、iPhoneのウェブブラウザであるSafariから利用することができるとはいっても、専用アプリで気軽に投稿できるようでないと爆発的な普及には至らないのではないかと思います。とはいえ、ウェブブラウザ用モバイル版のページも非常に良くできていて、アプリと遜色のない出来になっているのではないかと思えますが、ただ残念なのは私のiPhone 3GSでは明らかに性能不足で処理が重たくもたつくところです。

もう一つの問題はTwitterやFacebookなど他のサービスとの連携ができていないところです。これはTwitterのようにAPIが公開されて自由にアプリが開発されるようになったり、出来の良い公式アプリが公開されれば必要ないのかもしれませんが、今TwitterやFacebookを活用している人がすぐにそれらを捨てて乗り換えるということは考えにくいことですし、それぞれのサービスを使い分けて投稿したり同じ内容を複数のサービスに投稿したりということもやらないでしょう。

ということで、目下の課題はこれら2点で、その解決には早期の正式サービスインやAPIの公開といった所が必要なのではないかと思います。もしもそのタイミングを逃してしまうと、今は物珍しさもあって色々試している人たちも飽きてしまうことになるでしょう。いろいろ考えられていることが判るだけに、今度こそはなんとか成功を納めてもらいたいところなので、早めの対応を期待したいところです。

なお、試してみたいという方は何らかの方法でメールアドレスを教えていただければ招待メールをお送りできると思います。