National Museum of the United States Air Force

National Museum of the United States Air Forceこれもアメリカならでは。

日本にいると、ある博物館に行くためだけに片道300kmも運転して日帰りするなんていうことは普通はしないものだと思いますが、便利で空いている高速道路が無料で利用できるからなのか、あるいは高くなったとはいえガソリンがリッター100円くらいと安いからなのか、アメリカではそれほど馬鹿げたことではないと思えてしまいます。とはいえ、片道3時間運転して、3時間ほど滞在したらまた3時間運転、というのはさすがにこの歳になるとそれなりに疲れました。

昨日は次男と二人で、自宅から300kmほど離れたオハイオ州のDaytonという街にある国立アメリカ空軍博物館を観に行ってきたのです。この近辺には他にも航空博物館のようなものがいくつかあるような標示が出ていたのでどういうことなのかと思っていたのですが、そういえばここはあのライト兄弟の出身地で、その後も航空・軍需産業で栄えた街だったのでした。

この博物館はアメリカ空軍により公式に運営されているもので、ライト・パターソン空軍基地に隣接しており、敷地内には滑走路が1本と、大きな格納庫のような展示棟が3棟建っています。空軍のプロパガンダの役割があるためか、入場料は無料で、休館日はサンクスギビング、クリスマス、元日の3日のみとなっています。
Zero
館内は初期第二次大戦期朝鮮戦争期東南アジア(ベトナム)戦争期冷戦期、そしてミサイルと宇宙、というように分けられて展示されています。この博物館自体、第二次大戦前に研究所で歴史的遺物を集めていたのが始まりのようなので、初期の展示物も非常に充実しています。あまり私の興味のあるところではないのでじっくりとは見ませんでしたが、かなり貴重な機体がいくつもあるのではないでしょうか。

次に進んだ第二次大戦期の展示は私達日本人にはあまり居心地のいいところではありません。とはいえ、直接交戦していたにも関わらず、特に日本に対して悪い感情を伺わせるものはなく、ゼロ戦なども他のアメリカの戦闘機などと並んで同じように展示されていました。さすがに軍としては今の同盟国を敵視するようなことはできないということなのでしょうが、実際驚くほど親日的なアメリカ人が数多くいるのはなぜなのか普段不思議に感じているところです。
館内の様子
その先の朝鮮戦争やベトナム戦争などはそれほど昔のことではないように感じていましたが、こういった時代にも数多くの機種の航空機が製造されて実戦に加わっていたというのはあまり知らないことでした。冷戦期となるとまさに私の子供時代にも差し掛かっていますから、本やプラモデルなどで見た戦闘機などの実物がいくつも展示されていて、あれこれと目移りしてしまうようでした。特に私が興奮したのは子供の頃にプラモデルを組み立てたSR-71A Blackbirdでしょうか。超高空をマッハ3を超える速度で巡航するための特殊な形状と構造は異彩を放っており、非常に存在感がありました。1966年から配備されてすでに1999年に退役しているのですが、そんな時代にそんな技術があったということには畏敬の念を感じずにいられません。
SR-71A Blackbird
最後のミサイルと宇宙のところにはICBMなどの大型のミサイルが並んで立てられていますが、見た目には宇宙開発用のロケットと変わらないので、宇宙開発が軍事技術のためのものだったということを納得させられました。この手前にはアポロ15号の司令船の実物が展示されているのですが、それもなんだか虚しい物に思えてしまいます。

実はこれらのほか、バスに乗って別館の展示を見に行くツアーもあり、そちらには各種の実験機や歴代の大統領専用機なども展示されているということなのですが、私はすっかり忘れていて見ずじまいでした。しかしそれを見ずとも、沢山の非常に貴重な機体が、かなりギュウギュウな感じで押し込まれていて見応えは十分だったと思います。時期によっては混みあうそうですが、私たちが行った昨日はかなり空いていて、ゆっくりと見ることができたのも良かったです。

全体を通して思うのは、特に第二次大戦の頃に、これだけの技術と国力を持っていた国に立ち向かって勝てるわけがなかったということです。同じ第二次大戦期のコーナーに並んでいる機体を見比べると、誰もが同じようなことを思うのではないでしょうか。朝鮮戦争やベトナム戦争ではそのアメリカ軍も苦戦したというのは当時のソ連も同じような力を持っていたということで、それが冷戦へと向かうことになった、という歴史的な流れも感じることができます。このところのウクライナの情勢を見ているとまた不安にもなりますが、冷戦が終息したというのは奇跡的なものだったのではないかとも思えます。

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