Thor: Ragnarok順序が逆になりましたが。

先日公開された「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」を先に観てしまったのですが、昨年公開された「マイティ・ソー バトルロイヤル」を見逃してしまっていたので序盤の状況がよくわからなかったということを前回の記事で書きました。「マイティ・ソー」シリーズは世界観があまりに現実離れしているためになかなか取っ付きづらいところがあるのですが、「バトルロイヤル」については過去最高の出来という評判だったのでぜひ観たかったのですが、他にもみたいものがあったおかげでタイミングが合わなかったのでした。しかし、そのまま観ないでおく訳にはいかないということでAmazonのストリーミングで観てみたところ、やはり先に観ておくべきだったというのが率直な感想です。

本作の原題は”Thor: Ragnarok”といいます。「ラグナロク」と聞くと「ラグナロクオンライン」を思い浮かべてしまう人もいるかもしれませんが、もちろんまったく関係ありません。ラグナロクというのは北欧神話における終末の日、神々が戦い滅びる日のことです。「マイティ・ソー」のシリーズは北欧神話をベースとしているので、本作もこれに因んだ内容となっています。本シリーズは北欧神話をモデルにしているという程度で、北欧神話に造詣の深い人からすれば一緒にしないでくれというようなもののはずですが、ある程度固有名詞を知っていると一層楽しめるということは言えそうです。

一昔前はスーパーヒーロものなんて二級扱いもいいところだったと思うのですが、本作ではCate BlanchettIdris ElbaJeff GoldblumAnthony HopkinsBenedict Cumberbatchといった錚々たる俳優陣が出演していて、一体どんな大作かといったほどのものです。こうした豪華出演者のおかげで軽薄さが拭われ、ある種の説得力を得ることができるのでしょう。

ところでまた酷いのが本作の邦題です。日本では「ラグナロク」というものの知名度が低いということはあるかもしれませんが、「バトルロイヤル」というのはどういうことなのでしょうか。字幕でも「バトルロイヤル」という言葉が使われていましたが、実際に行われているのはThorHulkの一対一の対決であり、決してバトルロイヤル的なものではありません。英語の元のセリフではContest of Championsと言っており、的確な翻訳が難しいのはわかりますが、そもそもこのイベントはストーリーのごく一部でしかなく、本題からはかなり外れたものです。このような邦題からは作品に対する熱意や愛情がまったく感じられず、本当にどういうセンスで付けているのかさっぱり理解できません。