最近の私の趣味の一つに「食べ歩き」というのがあります。近場であれば大阪や京都へ行って、美味しいものを食べては歩き、また食べては歩き、というのを繰り返すだけのことなのですが、これだけだとなんとなく罪悪感があるので、別の目的が一つでもあると赦されるような気がしています。

先日、勤務先の友人がわざわざ電話してきて教えてくれたのですが、大阪のあべのハルカス美術館で開催されている展覧会「円空 ―旅して、彫って、祈って―」が良かったということでした。円空については仏像を彫った江戸時代の僧ということくらいしか私も知らなかったのですが、話を聞きながらウェブサイトを見てみると今までにあまり見たことのない作風だったので興味を引かれ、食べ歩きのダシにもちょうどいいということで早速行ってきました。

円空仏はシンプルなデザインにノミの跡が残った野性的なデザインが印象的ですが、よく見ると着物の折り目などは細かく丁寧に彫りが入っていて、あたり前のことながら決して雑なものではないことがわかります。また、私も今回見て感じたのは、ほとんどの仏像の口元が優しく微笑んでいるように見えることでした。

私自身、仏像に造詣が深いわけでもなく、知識が浅いので感覚的にしか見ていないのですが、特にいくつかの仏像はいいなあと思うものがありました。深い知識があればさらに楽しめるのかもしれませんが、そうでなくてもそれぞれの感じるままになにか得られるものがあれば、それでいいのではないかと思います。