今日土曜日、私は一人で大阪に遊びに行っていたのですが、私が一人で出かけるときはたいてい食べ歩きが主目的になっていて、美味しいものを食べてはひたすら歩いて時間と消費カロリーを稼ぐというなんとも非生産的なものになってしまいがちです。しかし今回はそれだけではちょっともったいないので、大阪中之島美術館で開催されている「テート美術館展」を見てくることにしました。
その名の通り、イギリスのテート(Tate)という美術館の作品を展示するというものですが、今回は「光」をテーマにした18世紀の油彩画から現代のインスタレーションまで様々な作品が持ち込まれています。この夏には新国立美術館で開催されていたものですが、この夏に次男と二人で東京に帰省したときに次男が見に行ってきてとても良かったと言っていて、今度は中之島に来ているというのを教えてくれていたので行ってみたというわけです。
「光」を軸に見てみるとなかなか興味深く見応えがあるものでしたが、今回最も私の印象に強く残ったのはJohn Martinの「ポンペイとヘルクラネウムの崩壊」という作品です。赤基調の画面の奥から光が差していて、陰影や光の表現がとても見事だと思います。ミュージアムストアにきれいなレプリカがあったらぜひ買いたいと思ったほどですが、残念ながらそのようなものはなく、紙にプリントされたものはちょっと白っぽくなってしまっていて今一つに感じたので、結局何も買っていません。図録には大きめの写真もあったのですが、それだけのためにはちょっと重すぎました。なお、Tateのウェブサイトでは比較的大きく見えますし、用途によってはさらに大きな画像も購入できるようです。
しかし、イギリスの美術館や博物館は原則的に無料なので、これらの作品がタダで見られてしまうというのはなかなか凄いことですね。文化的成熟度の違いを感じずにはいられません。