AKIRA 4K デジタルリマスター版

「さんをつけろよデコ助野郎!」
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1988年7月に新型爆弾が使用される第三次世界大戦が勃発し、そこからの復興を果たし翌年にはオリンピック開催を控える2019年のネオ東京を舞台に、金田をリーダーとする暴走族の一団が巻き込まれた軍事機密をめぐるアーミーとゲリラの争いと奇妙な展開を描いたSFアニメ映画の金字塔「AKIRA」は物語の設定と同じ1988年の作品ですが、当時高校生だった私も友人に連れられて観に行ったものの、原作マンガを読んでいなかったこともあって内容があまり理解できなかったように記憶しています。というよりも、ただダイナミックな映像に圧倒されてしまったような気がします。

それから実に30年以上の月日が経過し、もちろん第三次世界大戦は起こりませんでしたし、東京湾のほとんどが埋め立てられるようなことにはなっていませんが、物語を追い越して2020年を迎えてしまいました。あの「金田のバイク」のようなハイパワーな電動二輪車もまだ実現していませんが、大きく進化した映像技術で蘇らせた「AKIRA 4K デジタルリマスター版」が劇場公開されているということで、高校時代を懐かしみながら…というわけではありませんが、私も観に行ってきました。

地元シネコンの中でも特に大きなスクリーンでの上映となっていましたが、当時の35mmフィルムを元にリマスターしたものということで、さすがに最近のフルCGアニメのような解像感はなかったものの、30年も前の作品とは思えない鮮やかな映像でした。おそらく今のAI技術などを駆使すれば、金さえかければもっとパリッとした映像にできるのではないかと思いますが、それはまたオリジナルに手を加えた別のものになってしまうので、あまり歓迎されないかもしれません。

内容について改めて語ることはないかもしれませんが、当時の記憶はすっかり抜け落ちていたので新鮮な気持ちで楽しむことができましたし、自分も成長したのかストーリーもしっかり理解できたように思います。また、内容的に古さを感じるようなところはほとんどありませんでしたが、強いて言えば人々がスマートフォンを使っていないということくらいですが、未来に生まれるものは予見できなかったとしても、廃れるであろうものは予想できたということなのでしょうか。まあSFですから基本ですね。

実は私は数年前にブックオフで原作単行本のセットを大人買いしたのですが、ありがちなことに買ったことに満足してまだ読んでいません。この単行本が大判サイズで小口が着色されていたりして、なんともかっこいいのですよね。しかし、映画は単行本の4巻までの時点で製作されていて、エンディング部分は映画オリジナルらしいので、原作の方も読む必要があるということが今回調べてわかりました。

なお、本作は昨年一度ハリウッドで実写映画化が発表されたものの、脚本とキャスティングに難航して無期限保留となってしまったようなので、なんとか再開にこぎつけてもらいたいものです。しかしAKIRAをAKIRAとして出すためには、登場人物は日本人か日系人、もしくは東アジア系の俳優にしておかないと昨今の情勢が許さないのでしょうね。確かに日本人俳優でとなるとキャスティングは難航どころか遭難してしまいそうです。

Rambo: Last Blood

何事も準備が大事。
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COVID-19による緊急事態宣言や自粛ムードの影響を最も大きく受けている産業の一つが映画産業だと思いますが、私の地元の映画館でも一時期休館や時短営業となっていましたし、新作の公開も延期になってスケジュールが大幅に乱れることになりました。それがようやく通常営業を再開できるようになりましたが、現在でも座席を1つずつ空けて千鳥状に使用し、マスク着用を必須とするなどの対策を取っての再開です。しかしともあれ、そんな状態でもなんとか観られるようになったということで、私もかなり久しぶりに映画館へと足を運んできました。

今回観たのは「ランボー」シリーズ最新作にして最終作、「ランボー ラスト・ブラッド」です。「ランボー」といえばSylvester Stalloneが当たり役を得た代表作で、ベトナム帰還兵であるJohn Ramboを主人公とするシリーズですが、今作の公開に合わせてAmazon Prime Videoで過去作が全て見られるようになっていたので、予習のためにも一部は改めて、一部は初めて観ておきました。1982年、私も小学生だった40年近く前に始まったシリーズなのでもはや観たはずのものも記憶にほとんど残っていませんでしたが、それぞれの作品でJohn Ramboのキャラクター以外にはストーリー上の繋がりがほとんどないので、予習は必ずしも必要ではないでしょう。

1作目では田舎の保安官らに売られた喧嘩で、2作目「ランボー/怒りの脱出」ではベトナムの捕虜収容所から捕虜を救出するためにソ連軍を相手にし、3作目「ランボー3/怒りのアフガン」ではアフガニスタンからかつての上官を救出するために再びソ連軍と相まみえ、4作目「ランボー/最後の戦場」はミャンマーからのNGOメンバー救出のためのミャンマー軍との戦いでした。それから11年後の5作目ではメキシコ人身売買カルテルに対する私怨を晴らすことになり、これまでの作品と比べると大義としてそれでいいのかという気がしてしまいます。さらにこれがメキシコに対する差別や偏見、先入観に繋がるという非難もあるようで、シリーズとして古く、Stalloneもかなり高齢ということもあって、すでに昨年公開されているアメリカでの興行成績は芳しいものではないようです。

4作目はRamboがアリゾナ州ボウイーの実家に帰ったところで終わっていましたが、本作でもRamboはこのボウイーの家で暮らしています。このボウイーの町からメキシコとの国境まではどの程度の距離なのかと調べてみると、車で2時間足らずということなのでRamboが何度か行き来しているのも苦ではないでしょう。1作めの原作である「一人だけの軍隊」が書かれた時には本作への繋がりなど考えていたはずはないのですが、ちょうど良い設定になっていたようです。クライマックスの舞台となるのもこの実家ですが、お楽しみのためにこれ以上は書かないほうがいいでしょう。

4作目もグロテスクな描写が多くてやや辛かったのですが、本作も日本でR15+、アメリカではRというレイティングになっているので、遠慮なく直接的な描写が行われていて、苦手な人は観ないほうがいいかもしれません。ただ、終盤のRamboが敵を迎え撃つための仕掛けを作っていくところは大人版「ホーム・アローン」という感じでちょっとワクワクしてしまったりもします。

しかしこういう映画を観ていていつも感じてしまうのは、倍返しどころではなく100人ほどの命を奪う報復になっているのですが、正義のためであれば命も軽くなってしまうものだということですね。現実感なくいつの間にかこういう価値観を身に着けてしまうのも問題ではないのでしょうか。

新型コロナウイルス接触確認アプリ COCOA

みんなが使わないと意味がありません。
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以前、AppleとGoogleがCOVID-19の濃厚接触の可能性を追跡するための技術で協力しているというニュースがあり、その後5月にExposure NotificationというAPIがiOSでは13.5に、Androidでは6.0で利用できるGoogle Play Servicesとしてリリースされました。

この状態ではそのままユーザーが利用できるわけではなく、このAPIを利用したアプリケーションが必要だったのですが、このAPI自体もやたらなアプリがアクセスすると害悪となるので、各国の政府機関に準ずる組織で開発したものでないと承認されないようになっていました。いくつかの国ではすでに公開されていたのですが、昨日日本の厚生労働省が公開したのが「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」というものです。

公開当初は厚労省のページからアプリへのリンクが掲載されておらず、AppStoreでの検索でもうまく見つけられないという問題があったのですが、夜になってGoogle PlayApp Storeへのリンクが追加されてインストールできるようになっています。私は厚生労働省が公開している他のアプリを探して、そこから同じ開発者のアプリを検索するという形でなんとかCOCOAを見つけ出してインストールしていましたが、これは確かに一般の方にはなかなか高いハードルではなかったかと思います。

アプリの設定自体は至って簡単で、利用規約への同意と、Bluetoothとログの記録・通知機能の利用確認があるだけです。しかし、ここでBluetoothなどの利用を拒否してしまうと二度と許可できない袋小路に入ってしまうという、仕様上の欠陥があるようなので要注意です。

一旦設定が終わってしまえばあとは自分が感染していないかを確認したい時に「陽性者との接触を確認する(14日間)」というボタンを押すだけです。感染者の情報は1日に1回更新され、その情報と自分の接触者とを照合して一致すれば通知が表示され、接触が確認されない場合にはその旨表示されるということです。ボタンは何度でも押せると思いますが、元のデータは1日1回しか更新されないようなのでその意味はないでしょう。

接触者追跡の仕様は公開されているので誰でも詳細を確認できるのですが、仕組みとしてはBluetoothの機能でスマートフォン同士でIDを交換し合い、概ね1m以内の距離で15分以上検出したIDを記録し、利用者の感染が確認された場合にその利用者のIDを共有し、そのIDが自分のスマートフォンに記録されていれば接触していたと見なされて通知されるというものです。この仕様のキモは個人のIDや位置情報をサーバーに記録するものではなく、またIDも毎日変更されるのでそのIDを使用した追跡もできないということで、Appleらしく個人情報保護に万全の配慮がなされたものになっています。

しかしテレビを見ていると「個人情報が不安だから利用しない」という通行人の声をそのまま放送してそれを否定することもなかったり、Bluetoothをオンにし続けるとバッテリーの減りが心配などとも言っていたりで、不安を煽ってせっかくのこのアプリを使わせないようにしているとしか思えません。このアプリのような断続的なBluetoothの使用でのバッテリー消費なんていうものも誤差にもならないようなものです。どうしてテレビというのはこう無責任なのでしょうか。

また、実際には感染していないのに感染したとして登録する人がいるのではないかと疑う人もいましたが、そんな事ができるとシステム全体が一発でゴミになってしまいますから、さすがに対策されているでしょう。具体的には検査機関側が登録した検査結果IDと一致しなければ登録できないようです。AppleとGoogleという世界トップクラスの頭脳集団が結集して作られているわけですから、そんな簡単な穴があるわけがないでしょう…というのはナイーブすぎるでしょうか。

ということで、1人でも多くの人が利用することが重要なアプリですので、自分の身を守るためにも積極的に広めていきましょう。まあ最初の1か月は「試行版(プレビュー版)」ということらしく、アプリ自体の動作に不安定なところなどはあるかもしれませんが、根幹となるIDの記録はOSレベルで行われているので、そのあたりは大目に見てあげてください。