ゲゲゲの鬼太郎我が家の長男は以前からどういうわけかオカルトチックなものが好きで、最初はドラキュラやフランケンシュタインと言った西洋の古典的な怪物に興味を持っていました。これは映画「ヴァン・ヘルシング」を見せた影響が大きいのかと思いますが、最近は徐々に日本の妖怪の方に移行してきていました。日本で妖怪といえば誰をおいても水木しげる氏を忘れることはできません。長男も「水木しげる妖怪大百科」という本を買ってからはこれを熟読し、その後も「こども妖怪新聞―ようこそ、妖怪の世界へ!」という本を私の母にせがんで買ってもらい、舐めるように読んでいます。また、境港の水木しげるロードにも行きたいと言っていましたが、思っていたほどのものではないということがわかったらしく最近は「もういい」と言うようになりました。

さて、水木しげるといえば何といっても「ゲゲゲの鬼太郎」です。つい先月からまたテレビアニメシリーズが新しく始まり子供達にも人気を博しているようですが、私が子供の頃にも楽しんで観ていた記憶があります。最近話題の関西テレビでは土曜早朝の放送にも関わらず、もちろんわが子らも毎週楽しみにしています。

このテレビシリーズと同調するように、先週末から実写映画版「ゲゲゲの鬼太郎」が公開されました。普段は映画館に誘っても「DVDで見るからいい」と言って冷たく断る長男もこれはやはり見逃すことができません。一緒にテレビアニメを観ている次男もつられて「観たい」と言い出したので、結局一家揃って映画の日の昨日を待って観に行ってきました。恐がりな次男にとっては2年前に「ゴジラ FINAL WARS」を途中退場して以来の映画館ですが、前日にUSJでT2:3Dなどを観てきたあとなので何とかなりそうだと判断しました。また、私はこの日「スパイダーマン3」を観るために一人で映画館に行ったのですが、その後現地で家族と合流したのでした。

もちろん妖怪映画とはいっても鬼太郎ですから、おどろおどろしいことは全くなく、完全に子供向けのコメディ作品です。そう思って観れば大人も十分に楽しむことができますが、くだらないギャグが散りばめられていたりもするのでそういうのが苦手な人にはお勧めできないかも知れません。まあ、シリアスなドラマだと思っている人もいないでしょうから、あえて言うまでもないのかも知れませんが。もちろん子供は大喜び、私たち大人も思っていた以上に良くできていて面白いと思いました。

実写版となると気になるのはキャストが役に合っているのかということですが、鬼太郎役のウェンツ瑛士はやはり微妙です。子供の姿をしているはずなのに背が高すぎますし、ヒゲの剃り跡が青く見えてしまっているのが興醒めというか…演技自体はアイドルの割に下手くそでもなく頑張っていたと思うのですが。猫娘役の田中麗奈の方はちょっと色気がありすぎて、やはり子供のはずなのにという違和感が拭えません。ねずみ男をはじめとするその他の妖怪はあまりイメージからかけ離れることもなく、ベテラン人がふざけた演技をまじめにされているのが良かったのではないでしょうか。

また人間の姿形をしていない妖怪はCGや着ぐるみになるわけですが、さすがに最近のSFXはハリウッドほどの予算をかけなくても完成度の高いものを仕上げられるようになってきました。一部の着ぐるみは戦隊ものの悪役キャラを見ているかのようでしたが、全般的には水木作品のキャラクターを現実世界においたらこうなる、というような出来にはなっているのではないかと思います。まあ、妖怪達はこの作品のキモなわけで、ここで手を抜いてしまったらおしまいなのですが。

ということで、初めて一家揃って観た映画が「ゲゲゲの鬼太郎」というのもどうかとは思いますが、皆それぞれ大いに楽しむことができたので良かったと思います。まあ、お父さんは猫娘の短いスカートが気になって仕方なかったよ…なんてことはとても言えないし、言うわけもないのですが。