パンダそんなにパンダが必要?

日本で最も長い歴史を持ち、日本一の入場者数を記録するという上野動物園のシンボル的存在の動物といえばやはりジャイアントパンダですが、その最後の一頭であったリンリンが4月30日に亡くなりました。日中国交正常化を記念して1972年にカンカンとランランが来園して以来、一時期は同時に5頭もいたというパンダがついにゼロになってしまったということで、つがいで年間1億円というレンタル料を払って中国から借りることができるか、というのが焦点となっているようです。

中国にしかいない希少動物ということで、貸してもらえるのかということ自体が日中首脳会談の議題にもなるようなのですが、そんなに大騒ぎしてまでパンダが必要なのでしょうか。パンダの場合はただ珍しいというだけでなく、目の周りの模様が愛嬌よく見えるので人気を博しているのでしょう。またある程度身体が大きいので見栄えがいいということもあるのかもしれません。「客寄せパンダ」という言葉がある通り、集客力があるのは間違いないので動物園としては欲しいのでしょうが、首脳会談で取り上げるほどのことでしょうか。何となく中国の外交カードになってしまいそうなのが気になります。

動物園にいる多くの動物がそうではないかと思いますが、パンダも人工的な繁殖が難しく、またそもそも1つの動物園にいる個体数が少ないので、中国の施設以外ではなかなか殖やすことができません。これまで上野ではリンリン1頭だけが展示されていたわけですが、老齢のパンダが1頭だけいてもその最期を待つだけで将来が期待できないという状況はいいものではありませんね。

今は日本では神戸の王子動物園と、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドでしかパンダを見ることができなくなってしまいました。奇しくも関西に集中することになってしまい、他の地方の方はなかなか見ることも難しいでしょうが、これぐらい珍しくなった方がはるばる見に行く甲斐もあるというものかもしれません。

私自身はパンダという動物には特に関心もなく、上野で赤ちゃんパンダが生まれて「大フィーバー」になっていた頃も見に行きませんでしたし、今回リンリンのニュースを聞いたときもまだ他にいるから大丈夫だろう、と最初は思ってしまったくらいなのですが、WWFのロゴにもなっているくらいですから世界的にも保護すべき動物としてポピュラーな存在なのでしょうか。パンダだけが特別ではないと思うのですが…