Star Wars実用的かどうかなんて。

さて、およそ一年後の公開を前に先日ティーザー予告編が公開され、「スター・ウォーズエピソード7」(“The Force Awakens”)の公開に向けてにわかに盛り上がるスター・ウォーズ界隈です。予告編を見ての私の印象は、いかにもJ. J. Abrams監督らしくスター・トレックの最新シリーズにも似た演出でありつつも、非常に躍動感のある動きで迫力のある映像を見せてくれるのではないかとますます期待が高まりました。

このエピソード7の公開が近づくに連れて関連商品も続々発売されてくるのではないかと思われますが、ちょっと目先の変わったものが現れた、というかそんな手があったかと唸ってしまい、私も迷わず注文してしまったのが「スター・ウォーズ英和辞典 ジェダイ入門者編」なる、まさに英和辞典です。

スター・ウォーズ英和辞典 ジェダイ入門者編

曰く、「映画に登場するせりふをそのまま例文として掲載。」ということで、英和辞典にはつきものの見出し語を使用した例文に、スター・ウォーズシリーズの各作品の名台詞を引用しているというわけです。ファンでなければどうということはないかもしれませんが、この例文から映画の場面が目に浮かんできて、単語とその使い方も楽しく覚えられるというわけです。また、例文にはその場面に沿ったかわいいイラストも添えられていて、より一層楽しむことができるのです。

しかしこの辞典には大きな問題がありました。「中学レベルの英単語を中心にエピソードIV~VIの頻出単語を約1,000語収録。」ということで、収録語数1000語というのはいかにも少なく、大人にはなんとも物足りないものになってしまっているのです。当然、見出し語以外の例文に使用される単語や文法もそのレベルに抑えられてしまっているため、もうちょっと高度で奥の深い言い回しがあるのではないかと残念でなりません。この辺りが本辞典の副題に「ジェダイ入門者編」とある理由で、本書の売れ行き次第では「ジェダイ・ナイト編」「シス・ロード編」と続いたりするのかもしれません(まあシスはないでしょうが)。

実際、売れ行きという面では現在Amazon英和辞典カテゴリでベストセラー1位となっていますが、これを英和辞典のつもりで購入している人はほぼゼロでしょうね。中学生が英語を面白いものだと感じられるようになれば非常に良いことだと思いますが、現役小中学生のスター・ウォーズファンというのがどれほどいるのかもよくわかりません。私の子供たちのようにファンに育てられて影響を受けた世代がちょうどその年代なのでしょうか。だとすればかなり良いタイミングですね。

ということで、私としてはアンカー英和辞典のレベルを望みたいものですが、そんなものはいつまでたっても出てきませんね。企画としては大変素晴らしいので、せめて高校生レベルのものが出てくればいいのに、というくらいに留めておきたいと思います。