養老天命反転地廃墟感があります。

我が家は二人の受験生を抱えているということで、今年の夏休みは帰省しないことになりました。しかし、次男が「旅行したいな」とこぼしたので渡りに船とばかりに計画を立て、次男と私の二人だけで1泊2日のドライブ旅行に行ってくることにしました。

最初の目的地は養老天命反転地です。実はここには7年前に帰省の途中に立ち寄ったものの、残念ながら休業日で中に入れず、仕方なく隣の養老公園でコンビニで買った弁当を食べたという苦い思い出があり、今回はその雪辱であるとも言えます。この施設は養老公園の中に作られた有料の公園施設ですが、これ自体が奈義町現代美術館にある『太陽 ≪遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体≫』の製作者である荒川修作+マドリン・ギンズ作品となっています。作品の中に入り、体験することにより鑑賞するというものです。
トイレの天井に卓球台
内部はとても不思議な作りになっています。入り口を入って最初にある建物は「養老天命反転地記念館/養老天命反転地オフィス」という建物ですが、内部は仕切りが迷路のように立っていて、さらに床も平坦ではなく、真っ直ぐ進むことはできません。オフィスというのは名ばかりのようですが、ここにはトイレがあります。このトイレも普通ではないのだろうと思い入ってみましたが、やはり奇妙な形の個室や、天井に卓球台があるところなどまさに期待通りでした。ただし、トイレ自体は狭いだけで普通に使えました。

その先にあるのは「極限で似るものの家」という岐阜県の形をした天井や、地面に岐阜県内の地図が書かれた建物です。ここも壁が迷路のようになっていますが、その壁にめり込むようにキッチンシンクや冷蔵庫、ソファ、トイレなどが配置されていて、不可解な世界になっています。

さらに先へ進むと、「楕円形のフィールド」という名の通り楕円形に囲まれたフィールドに出ます。全体的に窪地状になっていますが、地面には常に起伏があり、平坦だったりなだらかだったりする部分はありません。この歩きにくいところをバランス感覚を駆使しながら見て回ることで、作品と一体になることを目論んでいるようです。この内部にもいくつかの作品が配置されており、「宿命の家」では数十cm程度の高さの壁が迷路状に配置されていて、所々で地下に埋まる家具類をガラス越しに覗くことができるようになっていたりします。
みつばちの郷 はちみつソフトクリーム
この施設は1995年の開園ということで、すでに20年以上が経過しているため、残念ながら随所に老朽化の跡が見られます。ミュージアムショップで売られていた冊子の開演当時の写真を見てみると明らかにきれいなので、その当時に見ることができていたらと残念でなりません。しかし、この日私たちはオープン直後に入園したので最初はガラガラでしたが、時間が経つにつれ徐々に家族連れなどで賑やかになってきていましたので、今でもそれなりの人出はあるようです。

ということで、朝早かったので気温はそれほど高くなかったのですが、風邪がまったくなかったので歩き回っているうちにジットリと汗をかいてしまったので、行きの道中に看板を見かけたみつばちの郷に寄って「はちみつソフトクリーム」を食べて涼んでから、先へ進むことにしました。このソフトクリームはそれ自体に蜂蜜が練り込まれているということで、そのままでも蜂蜜の甘い香りがしてとても美味しかったのですが、さらに蜂蜜かけ放題ということで10種類以上の蜂蜜が置かれていました。それぞれ異なる味がありながらどれもコクがあって、いろいろ違いを楽しむことができて良かったです。