今年の元日に発生した令和6年能登半島地震からもうすぐ1か月になろうとしていますが、震度7を記録した能登半島では甚大な被害となり、避難所暮らしを余儀なくされて不安な毎日を過ごしている方々も多いと思います。政府その他様々支援活動も行われていますが、一日も早く日常を取り戻せるよう祈ります。
しかし、地震の影響を受けているのはこうした直接的な被害を受けた方々ばかりではなく、コロナ禍で受けた大きな打撃から立ち直りつつあった観光業に携わる方々も、余震への不安などから相次ぐキャンセルで深刻な状況になっているかと思います。この問題に対処するため、政府は「北陸応援割」なる制度を用意しようとしているというのが話題になりました。
この制度は北陸四県(新潟、富山、石川、福井)への宿泊旅行に対して、1泊あたり2万円を上限に半額を補助する、というようなもので、コロナ禍後に行われた旅行割と似たような制度ですが、今回はクーポンなどはないシンプルなものになるようです。正直なところあのクーポンは使い勝手が今ひとつだったので、ない方がいいですね。
私自身は旅行を趣味の一つとしているので、観光産業には元気でいてもらいたく、この制度が明らかになる前から加賀温泉あたりに行きたいと思っていたので、渡りに船というか、当初の予算はそのままにグレードアップしてさらに支援ができるならさらに良かったと思っています。
しかし、このような制度に対して「被災者を直接支援するべき」というような声も上がっているようです。でもそれはそれ、これはこれなのではないでしょうか。被災者への支援はもちろん必要ですが、直接的な被害を受けていなくても、実際にはなんの問題もないにも関わらず不安だと言われてキャンセルされてしまう旅館などにもやはり支援の手は必要です。ましてや「今は旅行などしているべきではない」などという無意味な自粛は誰も得をしないもので、あってはならないものです。政権批判は気持ちいいかもしれませんが、ちょっと冷静に考えてほしいと思います。