さっさと買えばよかった。
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私はかれこれ8年前にKickstarterPebbleを入手して以来、Pebble TimePebble 2と購入して愛用してきましたが、Fitbitによる買収とともに開発中止となってしまい、それ以来それに変わるスマートウォッチを見つけられずにいました。Apple WatchFitbit Versaなどもそれなりに魅力的ではあるのですが、私が求めている機能に対してはちょっと高すぎるように感じて、ガタの来ているPebble Timeをだましだまし使ってここまで来たのでした。しかしついにバックライトが瞬くようになってしまい、もう限界かということで新しいものを買い求めるか、あるいはもう諦めるかと判断のときが来てしまいました。

では、スマートウォッチに「私が求めている機能」とは何でしょうか。自分なりに整理してみると、以下のようになりました。

  • 時刻が分かる
    まあ「ウォッチ」なのですから、時刻が分かるのは当然のことです。iPhoneを見れば時刻はわかりますが、いつでも手元に視線を向ければ時刻が分かるというのは、普段腕時計を付けていなかった人が軽く感動するものです。
  • 静かに起こしてくれる
    実は頻度として一番便利に使用していて、なくなると困るのがこの機能です。私は早朝のウォーキングのために朝4:30頃に目を覚ましているのですが、この時間にはもちろん妻は熟睡しています。ここで普通の目覚まし時計を鳴らすわけにはいきませんが、スマートウォッチの振動によるアラームは静かで確実に起こしてくれるので、私にはぴったりです。
  • 歩数が分かる
    毎朝のウォーキングではだいたい決まった経路を歩いているので、歩数計がなくてもおおよその歩数はわかりますし、スマートフォンでも歩数は計上されるので記録という意味でも困ることはありません。しかし、今日はここまで何歩歩いたかな、というのは時々知りたくなるもので、その際にさっと分かるのはやはり便利です。
  • スマートフォンの通知が分かる
    多くの人がスマートウォッチを利用する目的としているのが通知ではないでしょうか。メールやSNSの通知はすぐに気づかなくても困ることはあまりありませんが、助かるのは通話の通知です。電話連絡をもらっていたのにマナーモードでカバンの中に入っていて気づかなかった、ということは多くの人が経験しているのではないかと思いますが、スマートウォッチが振動で教えてくれれば気づかないということはそうそうありません。とはいえ、私が取るべき電話がかかってくるということは年に数回あるかどうかというものなので、役立ち度合いとしては高くありません。

これらの機能さえあればいいということであれば、何万円もするApple Watchなどを購入して何年かおきに買い換える必要はないということになります。Amazonなどを見ると中国製の安価なスマートウォッチがたくさんありますが、しかしながら安心して購入できるものとなるとそれなりに名の知れたメーカーのものにしたくなります。ということで選んだのがXiaomiからつい先日日本でも公式に発売されたMi スマートバンド 6です。

Xiaomiは昨年購入したSmart Scale 2が非常に高品質で使い勝手が良かったことで好感を持っており、またこのSmart Scale 2と同期するのと同じスマートフォンアプリMi FitでMi Band 6も同期できるというのも決め手の一つとなりました。もちろん、上に挙げたような「私が求めている機能」はすべて備えた製品となっています。これでわずか6000円程度というのは非常にお買い得というほかなく、仮になにか大きな問題があったとしても諦められる価格です。

届いた製品を手にしてみると、この価格帯の製品であるにもかかわらず質感が高く、安っぽさは全く感じられません。可動部分がないため、部品の精度を敏感に感じてしまうことを避けられているのかも知れませんが、部品と部品の間に隙間ができてしまっているようなこともなく、とても良い感じです。前の世代からの大きく変わったのは有機EL(AMOLED “Wikipedia (en): AMOLED”)の画面表示が大きくなって、表面のパネルいっぱいに広がったということですが、この表示の明るさやコントラストも申し分なく、細かい文字までくっきり見やすいものになっています。ただ、画面の幅が狭いので長い文章の通知は折返しが多く読みづらくなってしまうのだけはどうしようもありません。

今回は日本版として発売されたものなので当然ですが、日本語の表示も問題なく、いわゆる「中華フォント」で表示されてしまうというようなこともありません。このあたりはスマートフォンなどで日本市場をよく理解しているXiaomiにとっては当たり前のことでしょう。本体のメニュー表示なども日本語対応しており、スマートフォンアプリのMi Fitで設定を変えることができます。また、文字盤もパターンも本体に内蔵されている3種類の他に、Mi Fitのストアメニューで何十種類もある中から3種類まで選択して本体に転送することができ、内蔵3種類と合わせた6種類の間ではいつでも簡単に切り替えることができます。私はストアの中に気に入ったものがあったのでそれを使っていますが、時刻が大きく表示されて見やすいので、普通の腕時計として問題なく使用できています。

なお、画面表示は常時点灯ではありませんが、Apple Watchのように顔の方に向けると点灯するように設定可能で、バッテリー節約のためにそれが作動する時間帯を設定することもできます。明るさ設定は5段階ありますが、私は普段上から2段目で使用していて、さすがに炎天下の直射日光が当たっているときは見えなくなってしまいますが、それ以外は日中でも支障ありません。また、日没から日の出まで、あるいは時間帯指定で照度を下げるような設定も可能です。

このような様々な少電力設定のおかげもあり、仕様上のバッテリー持続時間は14日間となっていますが、一日の間で朝の洗顔と夜の入浴の間だけ充電して、その他はずっと装着しっぱなしという私の使い方で、バッテリー残量が90%を切ることはほとんどありません。なお、水泳にも対応した防水性能があるので、洗顔や入浴で濡れること自体は問題ないはずです。

ただ、私はアクティビティといっても日課のウォーキングだけなのですが、アクティビティ計測モードにすると表示が細かくなって時刻が見にくくなってしまうのでそれは使っておらず、アクティビティトラッカーとしては常時動作している普通の歩数計と心拍計、睡眠トラッキングくらいしか使っていません。また、パルスオキシメーターにより経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)を計測する機能も搭載しており、メニューから起動すると十数秒程度で完了します。正常な状態であればあまり変化のない値を示すものですが、COVID-19で関心が高まっているものでもあり、ちょっと息苦しいなと思ったときに簡単に計測できるというのはいいかも知れません。

一緒に購入した純正のバンドについては、私はもともと真っ白なバンドが欲しかったもののそれがないのでアイボリーが入っているセットにしたのですが、このアイボリーは若干茶色が濃いので白の代わりにはなりませんでした。しかしその代わりに、イエローのものがちょっと赤みがかった黄色、明るいオレンジのような色で、しかも本体の周りだけ黒になっているという締まりのあるものだったので、気に入ってこれを使うことにしました。ゴム状に伸びるバンドを引っ張るだけで本体を外せるので交換も簡単ながら、しっかりと嵌っていて誤って外れてしまうようなことはないでしょう。腕への付け外しはバンドの先にあるポッチを穴に嵌めるだけですが、これは若干付けにくいのと、耐久性に少々不安があります。まあ、何年もの間使うことは想定していないのでしょう。社外品のバンドもたくさんあるようなので、また白や他の色など探してみたいと思います。

ということで、私はあまり使いこなしているというわけではありませんが、それでも価格以上の満足感は得られていると思います。騙されたと思って買ってみても問題ない値段でしょうし、がっかりすることもないと思うので、迷うくらいなら買ってしまうのがいいでしょう。