台北の市内の移動手段は地下鉄やタクシーなどももちろんありますが、安価でくまなく走っていて市民の足として便利なのがバスです。「バス」は中国語では「公車」というようですが、台北市と新北市の各社のバス路線を総合的に管理しているのが台北市市区公車というものです。

今回の私達の滞在では、初めの方はだいぶ徒歩で移動したのですが、最初に「千と千尋の神隠し」がインスパイアされているということでも有名な九份へ行くときに高速バスに乗ったのをきっかけに、市内の路線バスも実は難しくないのではないかと思って乗ってみたら便利で、その後かなり活用しました。

この台北のバス路線もだいぶ複雑で把握するのは難しいと思うのですが、そこはスマートフォンとGoogle Mapsという文明の利器を利用すればまったく問題ありません。普通に経路案内で公共交通機関を指定すれば、どこからどこまで何時に来る何番のバスに乗ればいいのか教えてくれるので、何も考えずにその通りに乗ればいいだけです。乗ってからもGPSで見ていれば乗り過ごす心配もありません。なんと便利な時代になったことでしょうか。

台北のバスでは各種ICカードが使え、カードのタッチは乗降時のどちらも必要ですが、読み取り機が前と中央の両方のドア付近にあり、乗降時はどちらのドアを使ってもいいというのが非常に便利で効率的でした。これもある程度の割り切りがあってこそできることで、その割り切りができない日本では無理なことですね。

なお、台北市内のバス運賃は短距離ではNT$15 (およそ75円)と非常に安く、まさに市民の足というのにふさわしい料金です。どうしてこれで成立するのか非常に不思議に感じますが、一体どういうことなのでしょうか。