The Hunger Games: Mockingjay - Part 2 - Jennifer Lawrence as Katniss Everdeen本当の悪は…

ハリー・ポッター然り、トワイライト然り、最近の大ヒット小説シリーズの映画版は最後の部が前後編2作に分かれてしまうことが多くなりました。成功の約束されたヒット作でもっと儲けようという意図があからさまな感じで私は好きではありませんが、それまでのシリーズをすべて観てきたら最後だけ観ないというわけにもいかないので、足元を見られているような気になりつつも観に行ってしまうわけです。今回観た「ハンガー・ゲーム」シリーズの最終作「ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション」もまさしくそんな感じです。なお、前編「ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス」も昨年アメリカにいる間に観ていたのですが、後編も観てからでいいかと記事にしませんでした。

前作を観てから1年経ってしまったので内容もだいぶ忘れてしまっていて大丈夫かと思ってましたが、今回は冒頭に日本オリジナルでこれまでのあらすじをまとめて見せてくれたので、「ああそうだったそうだった」と思い出すことができたのは思いがけず良かったです。シリーズ前半の2作ではほとんど殺し合いゲームだけだったのに、いつの間にか圧政に立ち向かう反政府レジスタンスの物語になっているわけですが、原作ファンの中高校生はしっかりついていけたのでしょうか。

今回の見所は何かというと、大統領Snowが反政府軍に対して仕掛けた罠でしょうか。相当派手で残酷な仕掛けを施していて、そこまでやるかという感じなのはファンタジーだからでしょう。今回も沢山の人が死んでいきますが、みな随分残虐なやり口でやられていくので、私は映画で描かれていない細かいところまで想像してしまわないように注意しなければなりません。しかしそれでも一切血は描かれていないので、レイティングはPG-13で済んでいるというのも不思議なものです。

主人公のKatnissを演じるJennifer Lawrenceもシリーズの初めはまだ少女らしさが残っていたのに、すっかり大人の女性になってしまいました。まあ、現在25歳、第1作時点でも既に20代だったので、あれはあくまで映画の演出でしかなかったのかもしれません。一方、GamemakerであるPlutarch Heavensbeeを演じていたPhilip Seymour Hoffmanは製作中に46歳の若さで亡くなってしまいました。彼の出演シーンはほとんど撮り終えていたと発表されていますが、あまり目立ちはしないものの実際にはかなり重要な役柄なので、最後がああいう形になっているのはこの影響なのかもしれません。CGで合成したりはしていないということですが、もちろん本人のためにはその方が良いですね。

全体的に映像が派手な割に、あるいはそのせいで内容が薄く感じられてしまったのですが、最後には大きなどんでん返しがあってちょっと救われたような気がします。映画だってやはり第一に重要なのは物語で、それをいかに映像として描くかということですよね。