The Da Vinci Code世界的に大ヒットとなった原作の映画化ということで成功が約束されたような作品であり、マスコミの報道ぶりもあって前評判は非常に高かったものの、それに期待しすぎた人が多かったのか観てきた人からは酷評を浴びてしまっている「ダ・ヴィンチ・コード」を毎月恒例の映画の日ということで例の如く一人で観てきました。

ルーヴル美術館の館長が殺されたことに端を発する一連の謎を解いていくというミステリー作品であるわけですが、原作の内容を全て取り込もうとしたのか内容がぎっしり詰まった非常に濃い作品でした。従って説明不足の感は否めず、キリスト教に関するある程度の興味や知識を持った人でないと何のことやらさっぱりわからないかもしれません。また、観ている側が一緒に謎解きに頭を捻っているような余裕はなく、主人公らが解いている様子を眺めているだけになっているような印象も受けました。このあたりが酷評の所以なのかもしれません。

内容的にローマ・カトリック教会が陰謀を抱えているというような話になっているということもあって、公開にあたっては法王庁などから非常に反発が大きかったということで、欧米では物議を醸しそうなシーンはカットされてしまったそうです。日本版はそういう心配もあまりないのでノーカット版となっているそうなので、ちょっと得したような気分です。

主演のTom Hanksはいつも通りの冴えない中年オヤジ風なのですが、Audrey Tautouは知的で綺麗な感じで、どことなく陰のある今回の役にピッタリなのではないでしょうか。しかし、Audreyが1978年生まれ、まだ27歳というのは私も今知って驚きを禁じ得ないといったところですが…やはり欧米人の歳はわからないというか、日本人が子供に見られるというのもわかるというか…

ということで、私としてはそこそこ楽しめたのですが、背景に関する知識が必要ということで、普通の日本人が楽しむためには原作を読んでおく必要があるのかもしれません。私も原作は読んでおきたいと思いつつまだ読んでいなかったのですが、映画を観て満足してしまったような感じもあります。古本などで見付けたら買おうかという程度でしょうか。それにしても最近こういう知識を要求する作品が多いような気がしますが、それは気のせいでしょうか?