Twisterさすがに飲み込まれたら助かる術はないと思いますが…

今日読んだ「プレイ」からMichael Crichton繋がりで、Crichtonが脚本を手掛けている映画「ツイスター」を観てみました。劇場公開当時はテレビCMなども盛んに流れていてさすがSpielbergという感じだったのですが、どうも恐怖感を煽るような予告になっていたような気がして臆病な私は今まで観ないでいたのですが、実際に観てみると確かに竜巻自体の恐ろしさは表現されているのですが、登場人物の明るさもあってストーリー自体はアドベンチャー風味のアクション映画という感じでした。もうちょっと早く観れば良かったです。

ツイスター
監督:ヤン・デ・ボン
ソニー・ピクチャーズエンタテイメント (2002/04/19)
ISBN/ASIN:B000063C7M

この映画の一番の売りはリアリティ溢れる竜巻の映像ですが、CGで描かれている竜巻はかなり現実味のあるものです。といっても私自身自分の目で竜巻を見たことなどなくニュース映像などでカメラを通して見ただけなのですが、今から11年も前の作品とは思えないクオリティの高さはさすがILMで、そのテレビで見た竜巻よりも臨場感溢れる映像は圧巻です。予告にも含まれていた、竜巻で巻き上げられたタンクローリーがこちらに向かって飛んでくるシーンなどはどう考えてもCGですが、迫力はたっぷりです。

この作品は「スピード」で監督デビューを果たしたJan de Bontの2作目ということですが、適度な緊張感と展開の速さがあってとても観やすい映画だったように思います。撮影監督出身の監督というだけあってカメラワークは非常に上手く、CGに頼り切ることなく迫力のある映像を作り出しているのではないでしょうか。

主人公らは竜巻を追いかけてそのメカニズムや動きを実地で研究する「ストーム・チェイサー」と呼ばれる研究者チームですが、次から次へとそこら中で発生する竜巻を追いかけています。さすがにこんな頻繁に起こっていてはとても人が住んでいられるような所ではないので、かなり誇張されているのだとは思いますが、実際にニュースなどでも竜巻による甚大な被害が報じられていて年間50人ほどの人が亡くなっているということですから、アメリカの人にとってはその恐ろしさはある程度身近なものなのかもしれません。

ちなみにこの映画の中でも竜巻の強さの指標として「F3」とか「F5」というような表現が使われていますが、これは日本人研究者の名前を取った「藤田スケール」と呼ばれるものだそうです。「F6は神の領域」というような台詞もありましたが、Wikipediaでも

発生するような事があるならば、有り得ない程の壊滅的な被害。

と書かれている通り、実際にはこの映画のクライマックスのようなわけにはいかないのでしょうね…