東京スカイツリー「週末にスカイツリーに行こう」なんて言うんでしょうか…?

地上波テレビのアナログ放送の終了と同じ頃、東京ではもはやずば抜けて高くもなくなってしまった東京タワーの代わりとして、墨田区の押上近くに現東京タワーの2倍近い610mという高さの新しい電波塔を建設することになっています。実際にはアナログ放送の終了には間に合わず、半年ほど遅れての本格運用開始となるようですが、元々建設計画があったあとでデジタル化の話が決まったようなので、仕方のないことなのでしょう。

今回、「新東京タワー」や「すみだタワー」などと仮の名前で呼ばれてきたこの新しいタワーの名称が投票で決定した、ということでニュースになっていました。その新しい名前というのが「東京スカイツリー」というものなのですが、これについては皆さんは一体どのように感じているでしょうか。私が最初に思ったのは「ずいぶん子供っぽい名前だ」ということで、”sky”に”tree”だなんて3歳児の単語じゃないかということです。あまり難しい単語を使うと英語の得意でない人には覚えてもらえないとか、意味が伝わらないといった問題もあるのは分かりますが、いくらなんでも「東京の空の木」というのは外国からの観光客が聞いたときにどう感じるのかと、失笑ものではないのかと心配になってしまいます。

もう一つ気になるのはこの名前に決まった経緯で、「全国の皆様の投票によって」ということになっていますが、その候補の決められ方にかなり違和感があります。投票結果を見ると、

  1. 東京スカイツリー 32,699票
  2. 東京EDOタワー 31,185票
  3. ライジングタワー 15,539票
  4. みらいタワー 13,915票
  5. ゆめみやぐら 9,942票
  6. ライジングイーストタワー 6,426票

となっていて、私にはこれが消去法で決まったようにしか思えません。他のどれよりもまだマシというだけで、これがいいからといって選んだ人がどれだけいるでしょうか。

そしてこれらの選択肢がそもそもどうやって決まったのかというところが一番の問題で、最初は全国から公募が行われたのですが、

その後、作詞家の阿木燿子さんをはじめとする10人の有識者による「新タワー名称検討委員会」にて全国投票の名称候補を6案に絞り込みました。

とされているその絞り込みが不可解なのです。「新タワーの名称候補が決定しました。」(PDF)という資料で明らかになっている公募の結果の上位20位までの中に、今回の名称候補6案はどれ一つとして含まれていないのです。そのものズバリでなくそれに近いものはあるにはあるのですが、今回選ばれた「スカイツリー」の「ツリー」という言葉は一体どこから来たものなのか全く不明ですし、6案のうち2案に含まれている「ライジング」という言葉も公募結果にはないので誰かの押しつけのようにしか思えません。

まあ東京に住んでいるわけでもなく、普段目にすることもない私にはあまり関係ないことではあるのかもしれませんが、今の東京タワーが東京の顔の一つであるように新しいタワーも新しい顔となるのでしょうから、名前も恥ずかしくないものにしてもらいたいところです。きっと私は茶化していうときでなければ「新タワー」としか呼ばないように思うのですが、果たしてこの「スカイツリー」という名前は定着することができるのでしょうか。

とはいっても東京タワーの全高をも凌ぐ地上350mと450mの高さに展望台が造られるということですから、新しもの好きな私はいそいそと行ってしまうことでしょう。ただちょっと気になるのは都心部に立っている東京タワーでは暗くなってからでも360°のパノラマが楽しめたのですが、押上から北東側の眺めというのはどうなのでしょうか?決してバカにするわけではありませんが、さらに高いところから見下ろすことになるだけにちょっと…