丹精毎朝食べるものだからこそよいものを選びたいところですが…

毎朝の食卓に納豆を欠かすことのできない我が家ですが、いつも買うのは3パック100円前後で売られている安いものばかりです。当然、納豆の味の違いなどわからないので特に銘柄にもこだわっていないのですが、大手のミツカンの「金のつぶ」はよく買っていました。しかし最近この「金のつぶ」のパッケージが「あらっ便利!」というものになってしまって閉口しています。

表面を覆っていたフィルムがなくなったというのは手放しで歓迎できるのですが、タレをゼリー状に固めて移しやすくしたというのがちょっと問題なのです。もちろんそれ自体は確かに便利ではあるのですが、このタレを収めておくための三角形のスペースが容器上で区切られてしまい、納豆はそれを除く部分に収まるようになったため、混ぜるためのスペースが狭くなってしまったのです。注意深く混ぜないとすぐに外に出そうになってしまいますし、三角形の空間なのでスムーズにかき混ぜることもできないのです。納豆は200回かき混ぜてから食べるべし、という家訓(ウソ)を守っている私には実に不満です。

その話を妻が友人に話したところ、そのお宅では最近はご主人が気に入ってしまったとかでもっと高級な納豆しか買っていないので知らなかった、ということでした。その高級な納豆というのはくめ納豆の「丹精」という製品で、いかにも高級げなその名前の通り、2個パックで240円もするのです。3個100円のものと比べると4倍近い差にもなります。その友人はご夫婦共に医師なので世帯収入は我が家の何倍にもなるでしょうから、本人たちがそれを気取らなくてもこういうところににじみ出てしまうものですが、そんなにおいしい納豆というのはどういうものなのか、と試しに食べてみることにしました…というか妻が買っていました。

しかしまずパッケージからして大仰です。普通ならビニールでくるまれているだけのところがしっかりと袋に入れられていて、なんだか無駄なようにも感じられてしまいますが、これも新鮮さを維持するために必要なことで、こういうところにも金が掛けられているのでしょう。袋を開けてみると、タレとカラシの他に薬味も入っていて、これがまた小袋に封入されています。薬味は刻みネギと刻み海苔と白胡麻の3種類です。

さらにこだわりが見られるのが、納豆自体が入っている発泡スチロールのカップ部分で、ちょっと硬めのコーティングが施されているのです。通常の発泡スチロール剥き出しのカップだと納豆を混ぜたときに納豆の粘りがカップにくっついてしまったり、さらに混ぜるときに箸が刺さってしまったりするものですが、このコーティングのおかげで非常にスムーズにかき混ぜることができました。

ということで、薬味を入れて混ぜ、食べてみたのですが、何がどれだけ違うのかよくわからないながらも確かにおいしいです。海苔の風味は確かに効果的ではありますが、もちろんそれだけではなく、納豆そのものもどこか違います。豆の一粒一粒が何かを主張しているような、存在感のある味わいです。文章ではどう表現してよいものか難しいのですが、確実にプラシーボではない違いがあります。

これなら他の納豆は食べられなくなるかも…と納得はしましたが、我が家ではちょっと無理な話です。今後も3個パック100円の納豆に何かしら工夫を加えながら食べていくことになるでしょう。しかしこの「丹精」、なんと発売から20年というロングセラーで昨年リニューアルされたということですから、やはり需要はあるところにはあるということですね。