バブルへGO!! タイムマシンはドラム式あの頃は楽しかった…?

タイムマシンと聞いて真っ先に思い浮かべるのは机の引き出しから乗るやつでしょうか? それともデロリアンでしょうか? H.G. Wellsによる発明以来、SF作品の定番アイテムとして様々な作品に様々な形のものが登場していますが、実物は21世紀に入ってもまだ実現されていません。理屈の上では不可能とは言い切れないそうですが、私自身は実現したとしてもパラレルワールドへの移動だけで、しかも行って帰ってくることはできないのではないかとなんとなく想像しています。

タイムマシンも時間を移動するだけならどんな形をしていてもいいはずですが、洗濯機がタイムマシンになるというのは普通に発想するものなのでしょうか。バブル期へ行くからということでひっかけてみたのだと思いますが、日立のドラム式洗濯機が偶然タイムマシンになってしまった、という映画「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」を観てみたところ、結構面白かったです。

バブル経済の崩壊は当時の大蔵省の通達「土地関連融資の抑制について」が原因であるとし、その通達を思いとどまらせてバブル崩壊を阻止したい財務官僚の頼みでタイムマシンで行った母が行方不明になったので、その母を助けに娘もまたタイムマシンでバブル当時へ行く、というのが大まかな設定です。

映画の中の「現代」は2007年、そしてタイムマシンの行き先は1990年ということでまさにバブル真っ盛りですが、その時私は大学1,2年の頃で、映画の中に出てきた六本木にはしばしば遊びに行ったものです。特に映像にもあったスクエアビルとその中にあったディスコには何度か踊りに行った記憶があり懐かしい限りです。といっても私は金を持っていない学生の身分でしたから、バブルだからといってそんなに羽振りが良かったというわけではありませんが、街全体が浮かれた雰囲気であったのは間違いないところだろうと思います。

主演の広末涼子を除く主要人物は2007年と1990年の両方の場面に登場するので、老けメイクか若メイクのどちらかをしているのですが、1990年の阿部寛は結構違和感がなくていかにもチャラチャラした感じが当時いそうな感じで良かったです。若干無理のある人もいましたが…広末涼子は何故か一度夢に出てきたことがあって、それ以来なんとなく好感を持って見ているのですが、アイドル出身なのに演技力がありますよね。それほど好きな顔ではないはずなのですが、実にキュートな表情があります。

ということで、やっぱり面白かったのは行き先がバブルの時代ということでそれほど遠い過去ではなく記憶にあることと、自分も当時を懐かしく思っているところがあるからなのでしょうね。きっと若い人が見ても「そんな時代があったのか」というくらいのものでしょう。作品中にもあったように今や携帯電話のない暮らしなんて考えられないという人も多いでしょうが、当時はそれでも何ら問題なく楽しく過ごしていたのですから、全く慣れというのは恐ろしいものです。