John Carter and Tars Tarkasこの複雑さは続編への伏線があるから?

アポロ11号による月面着陸から40年あまりが経ちましたが、アポロ計画終了後は他の天体に人間を送り込むということは行われておらず、有人飛行は地球の周回軌道止まりとなっています。冷戦時代のように宇宙開発競争に国力を注ぎこめるような状況ではなく開発のスピードが鈍ってしまっているようには見えますが、NASAMars Exploration Program(火星探査計画)などでは無人探査機による調査を進めており、昨年には2030年頃までに火星などへの有人飛行の実現を目指すというような発表もあり、まだまだ夢は持ち続けられるようです。

今日は、そんな近いようでやっぱり遠い惑星・火星を舞台にしたSFファンタジーアドベンチャー作品、「ジョン・カーター」という映画を観に行ってきました。日本では4月13日からの公開ということなので一足早くということになりますが、IMAX 3D版なのにたった$10で観られてしまうというのはやはり安いです。そもそも、IMAXだろうが3Dだろうがその日の最初の回は変わらず$10のようです。この値段であれば毎週どころか週に何回観てもいいくらいですね。ただ問題は英語のみというところですが…

この「ジョン・カーター」という作品はあの「ターザン」を生み出したEdgar Rice Burroughsという作家の「火星シリーズ」を原作としたものなのですが、この原作は発表されてからなんとちょうど100年ということで、第二次世界大戦前の作品ということになります。その名前の通り火星を舞台にした物語なのですが、その100年前当時の火星に対する知識で作られたものだということも興味深いところです。主人公のJohn Carterもアメリカ南北戦争の南軍兵士という、日本人には少々とっつきにくい設定になっていますが、まああまりそれは関係なく観られるでしょう。
Dejah Thoris
そんな時代の人が一体どうやって、そもそも100年前の作品でどういう方法で火星に行かせるのか、というのも気になるところでしたが、そんな手があったのかというような方法でした。変な常識にとらわれていてはこんな考えは浮かばないかもしれません。最後はまさかの「夢オチ」かとも思ってしまいましたが、そうではなかったようです。

火星にはいくつかの人種がいて、それぞれの文明を持っているようですが、地球人にそっくりな人種もいます。現実には、仮に火星に知的生命体がいたとしても見た目が地球人に似ているなんていうことはありえないと思うのですが、見た目だけでなく知性レベルも全く同等、環境の違いもあって文明の進化に差があるという程度の違いです。ここはあくまでファンタジーだということで追求しないことにしましょう。

今回はIMAX 3Dで観たということもあって映像は非常に鮮明で立体感も自然でしたが、設定が複雑な割に物語自体はどこかで観たようなもので、あまり新しさは感じられなかったのが残念です。もともとこの原作に影響を受けた作品のほうがたくさんあるのでしょうから、仕方のないことかもしれませんが、2012年の作品としてはちょっと物足りないような気もしました。とはいえ、まだまだ原作の通り続編を作る余地は残していますから、今後の作品に期待というところなのかもしれません。そんなことではいけないとは思いますけどね。