昨年世間を騒がせた社会問題の一つが自動車メーカーのダイハツによる一連の試験認証不正です。無理な開発計画の影響で認証試験などで様々な不正を続けてきたことが第三者委員会の調査で明らかになったものですが、それ自体は色々な事情があるでしょうし、まだ調査や処分が完全に終わったものではないので、ここでは触れずにいました。

しかし今日、「認証不正問題に対する国土交通省からの行政処分(型式指定取消)について」というプレスリリースで発表された、ダイハツ製造のグランマックストヨタ・タウンエースマツダ・ボンゴの各トラックタイプ車両の型式指定取消に関しては一言述べておきたくなりました。というのは、以前「問題なく走っているのだから問題ない」と言っているような人がいたのですが、この件についてはそういう問題ではなかったからです。

これらの車両については、本来衝撃を感知して展開すべきエアバッグの制御を加工し、試験を開始してからの時間で開くようにした状態で試験して合格としていたことが明らかとなっています。つまり、これらの車両にはエアバッグが装着されていますが、それが事故のときに開くという保証がないのです。それによって、万一の事故の際に守られるべき命が失われる可能性があるということですから、型式指定取消だけではまだ足りず、販売済みの車両も買い戻すなり、本来必要な性能を持つように改修するなりすべきなのではないかと思っています。そのような処置は自主的に行われているのでしょうか。

近年様々な企業の不正行為が散発的に明らかになっていますが、今まで表面を繕ってきたものが綻びてきているということですよね。右肩上がりの経済成長を夢見て無理をしてきたツケなのだと思いますが、膿を出し切るのはいつになるでしょうか。