芦原妃名子氏の原作マンガ日本テレビが実写ドラマ化した「セクシー田中さん」の制作時のゴタゴタにより、原作者が命を断ってしまうという痛ましい結果になったことが話題になっています。私はこのマンガもドラマも見たことがありませんし、そのゴタゴタの内容も詳しく把握していないので、直接的なコメントはできません。しかし、故人である原作者を貶めることも、トラブルの当事者の一人である脚本家を追求することもすべきでないことは確かです。

しかし、日本テレビがウェブサイトの番組ページに掲載しているコメントには非常に違和感があります(そのまま引用します)。

芦原妃名子さんの訃報に接し、哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。
2023年10月期の日曜ドラマ「セクシー田中さん」につきまして日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。
本作品の制作にご尽力いただいた芦原さんには感謝しております。

私はテレビが嫌いで信用していないためにバイアスがかかっているということもあると思いますが、この文章は自然に読めるでしょうか。もちろん文法的には日本語としておかしいところはありませんが、3つある文がバラバラです。最初の文は決まり文句で特になにも考えていないでしょう。しかし2つめの文ではいきなりなんの説明もなく言い訳がましいものになっています。そして最後の文では「感謝しています」という字面とは裏腹に、かなり冷たい印象を受けるのは私だけでしょうか。感謝の気持が一切伝わってこない文章です。どうもなにか強い意志の力が働いているように感じてなりません。

この程度の長さの文章でもうまく作るには技術や才能は必要ですが、それは別としてそれなりのプロセスを経てウェブページには掲載されているはずです。表現のプロ集団であるはずのテレビ局、しかも全国キー局である日本テレビほどの会社が載せるような文章なのでしょうか。あるいは私のただの買いかぶりなのでしょうか。

トップページには下記のような文章が掲載されており、関係者への個人攻撃が激しくなっていることが伺えますが、それは本当にしてはならないことです。私はあくまで、一企業としての態度に疑問を感じています。

芦原妃名子さんの訃報に接し、哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。
日本テレビとして、大変重く受け止めております。
ドラマ「セクシー田中さん」は、日本テレビの責任において制作および放送を行ったもので、関係者個人へのSNS等での誹謗中傷などはやめていただくよう、切にお願い申し上げます。