今は英語も小学校で教えるようになっていますが、私が子供の頃は国語の授業でローマ字を教わるときに初めてアルファベットの書き方を学校で習っていたかと思います。中学校に入ると英語の授業では筆記体を強制されていたのが訳わかりませんが、今でもそうなのでしょうか。実際にはイギリスでもアメリカでも筆記体なんていうものは結構人によってバラバラで、基本的には人に読ませるための文字ではないので、それを押し付けるというのは本当に無意味です。
それはさておきローマ字ですが、小学校で教えているのは今でも基本的に「訓令式」と呼ばれるもので、「ヘボン式」でもよい、ということになっています。しかし、実際に広く使われているのはヘボン式の方で、訓令式の方はたまに使われているのを見かける程度ではないでしょうか。一方に慣れた人からすると他方には違和感を感じるでしょうし、訓令式の綴りでは英語話者にとっては自然には読めない場合もあって、それがヘボン式を使う人の動機の大きなものでしょう。
問題なのはこれらが混在していることで、例えば道路の案内表示などでも同じ地名の表記が場所によって2種類あったりして、慣れない外国人にはそれが同じ場所を示すものだとは分からず混乱することもあるでしょう。訓令式は政府が標準と定めているものであるにも関わらず、パスポートの氏名表記はヘボン式が基本とされているというのもよくわかりません。
ようやくこういう状況も見直される時が来たようで、「Sinzyuku?それともShinjuku?ローマ字表記混在の現状改善へ…ヘボン式有力」という記事が読売新聞に掲載されていました。もう今さら現在の訓令式に統一するメリットはないでしょうから、ヘボン式を標準とするように統一されることを願いたいものです。
とはいえ、ヘボン式で書いたところで外国人には「読める」というだけで、正しく発音できるわけではないのですよね。だから英語に近いかどうかというのはあまり意味のあることではなくて、統一されていることが重要だと思います。中国語の拼音(ピンイン)も”q”など一部はそのまま読めませんし、そもそも同じアルファベットを使っている他のヨーロッパ言語だって英語とは読み方が全然違いますからね。