大田口駅付近の橋たどり着くのが大変ですが。

夏の一人旅2日目、途中家族へのおみやげを買ったり朝昼兼用の食事を摂ったりしながら向かったのは祖谷渓の東側にある奥祖谷観光周遊モノレールです。前夜の居酒屋でも勧められた祖谷渓の秘境の湯もとても雰囲気が良さそうで、祖谷渓そのものが山の中に忽然と現れるまさに秘境という感じだったのでぜひまた行ってみたいと思うのですが、今回は時間もないのでそれはまた次回ということにして、そのままさらに山の中へ進みます。
奥祖谷観光周遊モノレール
お目当てのモノレールは、こういうものがあると何年も前に知って以来ずっと乗ってみたかったのですが、なかなか機会がなかったので今回ようやくということになります。駅舎に切符を買いに行くと、午後1時過ぎに着いた私はおよそ1時間待ちということでした。今回はどれだけ待つことになっても乗る覚悟でいましたが、ゴールデンウィークなどは6時間待ちにもなる、つまり朝10時の時点で午後4時の切符になるということで、さすがに諦めて引き返す人も少なくないそうです。

しかしなぜそうまでしてこのモノレールにのるのかというと、それは次のようなスペックでもわかるでしょうか。

  • 乗車時間65分
  • 延長4600m
  • 高低差590m
  • 最高地点の標高1380m
  • 最大斜度40度

このモノレールは産業用モノレールをベースにした二人乗りのもので、40度というような急斜面でもラック・アンド・ピニオンでグイグイと登って行ってしまうのです。そして、自然の山の中、木々の間を縫うように通って斜面を登り、高度によって変化する植生と景色を楽しむことができるわけです。

乗車地点でも標高790mなので気温は27度ほどと暑くはありませんでしたが、登っていくうちに気温も下がり、上の方ではかなり涼しい風を楽しむことができました。真夏でもこうなのですから、新緑や紅葉の時期にはそれなりの装備でないと寒さに震えることになるかもしれません。何しろ乗車時間は一時間を超え、途中で寒いと言っても引き返すこともできません。もちろんトイレもないのでその点については事前に済ませておくよう注意を受けました。

A video posted by James Shinsuke Suzuki (@sszk) on

ということでとても素晴らしいモノレールで数時間でも待つに値するのではないかと思いますが、問題は現地にたどり着くまでのアクセス路の国道439号が非常に走りづらいということです。Wikipediaにも「四国きっての『酷道』として知られ」とありますが、すれ違いのできない区間がずっと続き、さらに林業の木材を満載した大型トラックが対向してきたりするので、こういうところを走り慣れていない人には相当堪えるのではないでしょうか。いくら運転することが好きな私でも、こういうのはうんざりするばかりです。
最高地点付近で子鹿に遭遇
ちなみに、現地で天気予報アプリを見てみると降水確率100%の雷雨となっていたのですが、乗車中には一滴の雨も降ることもなく助かりました。モノレールの車両には一応屋根が付いているので、風で横降りになってしまわなければなんとかなるだろうとは思いますが、やはり楽しさはぐっと下がってしまうでしょう。しかし、私が降りてくる間に対向してくる車両がないなあと思っていたのですが、降りてみると「悪天候と整備のため運休」となっていて、どうやら間一髪だったようです。酷道に手こずった挙句に運休では浮かばれませんが、私の日頃の行いも思ったほど悪くなかったようです。

この後、帰りは一度行ってみたいと思っていたバンナイズ徳島店に寄ることにしたのですが、酷道と徳島市内の渋滞に手こずり閉店ギリギリに到着となり、慌ただしい感じになってしまいました。店員さんは一向に構わないという感じではあったのですが、他に客もいませんでしたし、私自身が落ち着かなかったので店にいたのはわずか数分でした。
アペー・キャーマ
夕食にはそろそろカレーに飢えてきていたのでスリランカ料理マータラというところに寄って、同店おすすめの「アペー・キャーマ」(「私たちの料理」という意味だそう)を食べてみたのですが、まさにごちそうという感じで楽しく、とても満足感のある一皿でした。しかし、この店も今月末で一旦閉店して移転するということだったので、危ういところでした。今回はツイているのかツイていないのか、良くわかりません。

食事の後はスターバックスでコーヒーを買い、大鳴門橋明石海峡大橋を使って徳島市内から2時間足らずで帰宅しましたが、高速道路を使えば四国ももう遠いところではありませんね。今回は「四国でうどんを食べない旅」というのが密かなサブタイトルだったのですが、次回はまたうどん巡りでもしたいと思います。