W51SA客先対応業務から離れたということもあって日常の生活において「電話で喋る」ということがめっきり減ってしまった私にとって、携帯電話というのは誰かと喋るための道具というよりはメールの送受信やウェブへのアクセスのためなどの電子ガジェットというのが適当な位置づけではないかと思います。となると新しい技術が盛り込まれて性能や機能が向上したものが登場するとどうしても新しいものの方がよく見えてしまうものです。ほとんど電話もしないのにどうして新しいものが必要なのか、と妻には言われてしまいますが、これを理解してもらうのはやはり無理なようです。

さて、私はこれまで一昨年に購入したtalbyを使ってきて、これはこれでユニークなデザインが最近になっても人々の目に留まり話のきっかけになったりもしていたのですが、何度か落としてしまったためか2日に一度ほどリセットがかかるようになってしまい、特にメールを書きかけの時にそれが起こったりするとガックリ来てしまう、というような状況でした。いかに気に入っていたとはいえ、さすがにそれを我慢しながら使うのには耐えられず新しい機種に買い換えたくなってしまいました。

一時期大手3社の中でデザイン的は一番と言われていたauですが、どういうわけか最近のラインナップはどれも今一つピンと来るものがありません。しかしその分機能的には盛りだくさんとなっていて、ワンセグやらおサイフケータイやら、talbyにはなかった様々な機能がてんこ盛りになっています。そんな中から、二つ折りはあまり好きではないのでスライドタイプ、talbyの操作性に慣れていたので同じ鳥取三洋製のものを、ということで選んだのがW51SAという機種です(実際は鳥取三洋ではなく三洋本体でした…)。

本体カラーはグラスグリーン、アイボリーホワイト、モダンブラックの3色がありますが、ホワイトはアクセントに使われているボルドーレッドが好きになれず、ブラックは一番無難でしたが逆に個性に欠けるのと指紋が気になるのとでやめて、一番奇抜とも思われるグリーンを選びました。こういうと消去法で選んだかのようですが、実は「シュレック色」というので最初から気になっていた色で、以前から使っていたシュレックの壁紙がピッタリ似合う色だったりするのです。

液晶画面の方は2.6インチQVGAということでtalbyの2.1インチよりは大きく、W-Zero3[es]の2.8インチVGAのものよりもわずかに小さく画素数は4分の1ということになりますが、逆に画素数が少ない分開口率が高いということになるのかドットがくっきり見やすく感じられます。画像を見るときは画素数は多いに越したことがありませんが、文字を読む分にはこの方がいいかもしれないと思えます。

スライド式ということで非常に嬉しい機能が「ペアメニュー」なるもので、特に頻繁にアクセスする連絡先をアドレス帳から5人分選んでおくと、いちいちアドレス帳から検索せずに相手を選び、電話をかけたりメールを書いたりということが十字キーの操作だけでできる、というものです。これによりスライドさせずにさっと電話をかけることができるので、スライドさせないと「数字+発話」の操作ができないという弱点を補えることになります。

基本機能以外の山ほど搭載されている機能についてはまだほとんど試すことができていませんが、ワンセグを試しに見てみた限りでは受信感度は良好で、自宅ではアンテナを伸ばさなくても何とか見ることができそうな感じです。まあ、自宅でケータイのテレビを見なければならないというような状況にはならないと思いますが、出先での暇つぶしには十分使えそうです。またその他の細々した機能を試してみるのもいいオモチャが手に入ったというようなもので、しばらく遊ぶことができそうです。

そういえば今回、アドレス帳その他のデータの移行はショップにお願いしたのですが、その際これまでに書かされていた「移行失敗時のデータ紛失に関しては無補償」というような内容の念書を取られませんでした。そんなことでゴネる人がいなくなった、というわけではないと思いますが、お客も面倒くさがるし、となあなあになってきてしまったということなのでしょうか。私は自宅にバックアップがありますし、さほど重要なデータがあるわけでもないので仮に移行に失敗したとしてもあっさり諦めることができますが、トラブルになることはないのでしょうか。技術がちょっと進歩して仮に失敗しても消えるようなことはなくなったというのならいいのですが、ちょっと気になってしまいました。