Google GearsGoogleがついにオフラインにも進出

次から次へと新しいサービスを繰り出しつつ、それぞれのサービスも地道に向上を続けているところが手抜かりのないGoogleは空恐ろしいほどのものがありますが、つい先日も定番サービスになったと思われるGoogle MapsStreet Viewなどという凄まじいばかりの機能を盛り込んであっと言わせてくれました。

これは地上から見た道路の風景を周囲360°自由に向きを変えて表示してしまうというもので、さすがに世界中のどの地点でもというわけにはいかず、当初はSan Francisco, New York, Las Vegas, Denver, Miamiというアメリカ国内5都市に限られてはいますが、順次拡大されていくのではないでしょうか。いつものGoogle Maps(といっても日本版ではなく本国版でないとダメですが)の上で”Street View”のボタンをクリックすると風景を表示できる道路が縁取りされるので、その上に人型のアイコンをDrag & Dropするだけで表示できてしまうのですが、ここで使用されている写真は各道路を特殊なカメラを乗せたバンで実際に走り回って集めたものだそうで、その労力もさることながらそれだけの情報を瞬時に表示させることが出来てしまうというGoogleのテクノロジーにも驚かされてしまいます。特にその情報整理の技術はかなり高度なものなのではないでしょうか。

とはいえ、アメリカのしかもその年に住んでいる人でないとなかなか実用的な価値を見出すのは難しいのではないかと思いますが、ミーハーな私はとりあえず有名なGolden Gate Bridgeなどを見てみました。他には映画のワンシーンに登場するところなどを見付けては喜んでいたりしたのですが、しばらく暇つぶしするには最適化もしれません。欲を言えばこれがGoogle Earthにも統合されてしまったりするととんでもなく楽しいものになるのではないかと…まあ日本やヨーロッパ各地にも対応してもらう方が先でしょうか。

そしてもう一つ、Google Gearsなるもののベータ版も公開されました。これはウェブアプリケーションをオフラインで実行可能とする技術なのですが、オープンソースのウェブブラウザ拡張となっており、対応ブラウザは今のところWindows, Linux, Mac OS XのFirefoxとWindowsのIE6以上とのことです。また、対応アプリケーションの第一弾はGoogle Readerということで、このGoogle Readerのウィンドウ右上の”Offline”のリンクからインストールができるようになっています。

ウェブアプリケーションはインターネットに接続さえできればどこからでも同じ環境で利用でき、データを共有できるというのが素晴らしい利点であるわけですが、反面ウェブ接続できる環境がないと何もできないというのが致命的な問題となっていました。しかし、このGoogle Gearsに対応したアプリケーションであれば、そのアプリケーションプログラム自体とデータをPCにダウンロードしておいて、ローカルな環境で利用できてしまうわけです。屋外や乗り物での移動中もWiFiが利用できるような環境は徐々に整ってきてはいますが、いつでもどこでも誰にでも無料で、というのはまだほど遠い状況なので、出張時の新幹線や飛行機での移動中などには重宝するのではないでしょうか。

まあ、いずれオンライン/オフラインなどということは意識することもなく常にネットワークに接続されているような未来がやってくるのではないかと思われ、このGoogle Gearsの技術もその過渡期に利用されるだけのものなのかもしれませんが、こうしたものを次々と無償で公開しつつ莫大な利益を得ているGoogleという会社には本当に「凄い」というほかありません。私にとっても「転職したい会社」1位ですが、まあ残念ながら採ってくれるとは思えませんね…