週刊東洋経済父の影響で「鉄分やや多め」ですが。

巷で売られている雑誌の一ジャンルに「ビジネス誌」というものがあります。ビジネスマンのたしなみとして世の中の経済動向などは把握しておかなければいけないものなのか、会社の諸先輩方も定期的に購読されているようですが、ソフトウェアエンジニアという私の職種ではその手の情報はウェブで入手できる範囲で不足があるとは思えないので私は普段見向きもしないのですが、昨日毎月買っている「DVDでーた」を買うために書店に寄り、他にめぼしいものはないかとブラブラしているときにたまたまある表紙が視界の端の方に引っ掛かりました。

日頃立ち止まりもしないコーナーだったのでそれが何だったのか、顔をそちらに向けてみるまでわかりませんでしたが、それは「週刊東洋経済」というビジネス誌の先週号で、表紙にはその特集のタイトル「鉄道革命」という文字が大書きされているのでした。どういうわけで先週号がまだ残っているのかわかりませんが、それも1部だけではなく何部も、今週号と同じ場所に重ねて立てられているのでした。

表紙には各国の列車の写真が載っていて楽しげなのですが、どうせ特集といってもほんの一部で多くは私には面白くもない経済の話なのだろうとタカをくくりながらも手にとってパラパラとめくってみると、なかなかどうして相当に力の入った特集になっており、そのページ数は間の広告ページも含めて82ページもあり、総ページ数のほぼ半分を占めています。私もいったんは棚に戻して他の棚を見に行ったのですが、鉄道専門誌とは違う視点でこれだけまとまったものはなかなか読める機会もないだろうと思い直し、購入してみました。

大きなテーマはサブタイトルの「世界で大復権がはじまった!」という文句が示している通り、世界的に鉄道が見直されてきており、様々な新しい動きが起こっている、というものです。その下で、大きく4つに分けられていて、それぞれ「環境問題への対応としてのモーダルシフト」、「国際的な高速鉄道獲得競争」、「LRTなど都市部で見直される鉄道」、「日本の地方鉄道を震源とする鉄道ブーム」を取り上げてさらに深く追い込んでいます。

私はまだ半分ほど読んだところなのですが、「6カ国16都市徹底調査」と大きく謳っている通りなかなか綿密な取材が行われているようで、簡単ながら実際の試乗記も添えられており退屈せずに楽しんで読むことができます。もちろん詳しい鉄道ファンの方から見れば入門の入門のような極々簡単な紹介に過ぎないのでしょうが、あまり予備知識のない人には結構読み応えがあるのではないでしょうか。広範な「世界の鉄道の今」を知るにはかなり良くできた特集だと思います。

それにしてもこの特集でも触れられていますが、昨年埼玉にオープンした鉄道博物館は既に来館100万人を超えて相当盛況なようですね。秋葉原にあった交通博物館の寂れ様からは想像もできない賑わいのようです。これは単なる目新しさだけなのか、それとも本当に鉄道ブームがやってきているのか、あるいはその両方なのかもしれませんが、人混みの嫌いな私が落ち着いて見られるようになるのはいつのことになるでしょうか…