Antelope Canyon - Entrance妻と長男はここが一番だったとか。

グランドサークルの旅も後半、5日目の最初の目的地はアンテロープキャニオンです。ここもナバホ族居留地の中にあり、ナバホ族が運営するガイドツアーでのみ立ち入ることができるのですが、アッパーとロウアーとの2つに分かれていて、観光客のほとんどは内部が平坦なアッパーの方に行くそうです。アッパーの方はそのツアーも事前に予約しておかないということで、私はAntelope Canyon Navajo Toursなるところで予約を入れておきました。
Antelope Canyon
しかしややこしいのはタイムゾーンです。アリゾナ州ではサマータイム制を採用しておらず、夏場は隣の太平洋時間のネバダ州と同じ時刻を使用する一方、同じ山岳部時間のユタ州やニューメキシコ州などとは1時間の時差があります。ここまではまだ良いのですが、このアリゾナ州の一部を占めるナバホ居留地ではサマータイム制を採用しているため、それにも気をつけなければならないのです。今回、アンテロープキャニオンそのものはナバホ居留地の中なのですが、なぜか最寄りの大きな町ペイジに合わせるためか、ツアーの時間を山岳部標準時で管理しているのでした。私も予約した時にはそれを認識していたのですが、当日にはすっかり忘れていて、予定よりも1時間早く現地に到着してしまいました。もともと予約の1時間前に到着していないとキャンセルとみなすということだったのでそのつもりで行ったため、そのままでは2時間も待たなければいけないところでした。しかし、同じような人は他にもたくさんいるのかどんどん繰り上げていっているようで、「今すぐ出発するツアーに空きがあるからそれに参加するか?」と受付で聞かれたため、Yesと即答してすぐに出発することができました。
Antelope Canyon
ツアーは干上がった川の部分を四輪駆動ピックアップトラックの荷台にベンチシートを付けたような車で進んでいき、また結構スピードをあげるのでかなりピョンピョン跳ねることになります。前日にモニュメントバレーで悪路走行を体験していたとはいえ、それとはかなり異なる体験となりました。10分から15分ほど進んでいくと岩の裂け目のようなところに到着し、そこがアンテロープキャニオンへの入り口となります。
Antelope Canyon
その裂け目からちょっと中に入ると、なめらかな曲線を描きつつ入り組んだ壁面と、その表面の風紋のようにもみえる地層とが、上から差し込む光線との兼ね合いで幻想的な光景を作り出しています。ガイドブック等の写真を見ると高度なテクニックが必要なように見えますが、実際のところは光量が不足していることに気をつければ誰でも幻想的な写真を撮ることができるのではないかと思います。

また人にもよるのでしょうが、私達のガイドはキャニオンそのものをガイドしてくれるというよりはどこからどうやって摂ればいい写真が撮れるかをガイドしてくれるような感じでした。iPhoneなどのカメラの使い方も熟知しており、家族の写真を撮ってもらうために妻のiPhoneを渡すと、勝手にフィルタ効果などをかけてそれっぽい写真にしてくれました。ただ、私自身は人に言われた通りに写真を撮るというのは全く面白くないので、ただ撮り終わるまで待っていてくれればよかったのですが、まあ口は挟まれなかったのでそれはわきまえていたのかもしれません。
Roast Beef Wrap @ River's End Cafe
アンテロープキャニオンはロウアーの方が人が多すぎなくてよかったという話を前の週に来ていた友人から聞いていたため、最初はこの後ロウアーの方にも行ってみるつもりだったのですが、実際に行ってみるとアッパーの方でも十分楽しむことができてお腹いっぱいになってしまったので、ペイジの町へ移動して昼食を摂ることにしました。

今回の旅行ではルートの検討や宿の手配で手一杯になってしまったので、いつもはそれなりに検討している食事まで手が回らず、ほとんど行き当たりばったりになってしまっていたのですが、Yelpのおかげで今回もなかなかいい店に当たったのではないかと思っています。この昼食はRiver’s End Cafeというカフェにしたのですが、ここはコロラド川でのラフティングツアーなどを運営していたり、アウトドア用品を売っていたりする店の一角にあります。しかしそんなカフェでありながら、サンドイッチやサラダなどはかなり高品質なものを提供していましたし、コーヒーその他の飲み物はスターバックスの製品を使用した本格的なもので、地元の人にも人気があるようでした。私はローストビーフラップとアイスカフェアメリカーノにしましたが、いずれも美味しかったです。
Horseshoe Bend
この後はペイジ市内から10分ほどで行くことができるホースシューベンドを見に行きました。といっても10分でたどり着くのは駐車場までで、ここからちょっとした丘を越えて、蛇行するコロラド川までは1. 5kmほど歩かなければなりません。このホースシューベンドも前日見た グースネックと同じように蛇行する川の浸食によってできた渓谷で、その名の通り馬蹄形になっています。

グースネックとの大きな違いは岩が赤みがかっていてより急峻であることと、川の水が緑色であることでしょう。この色彩によって非常に写真映えのするものになっており、多くの写真家の被写体となっているので目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。しかし、崖が急であるためその際まで寄らないと川面が見えない反面、そこまで寄るとかなり広角なレンズを使用しないと全体を収めることはできません。幸い私は10-16mmという超広角レンズを持っているので問題ありませんでしたが、スマートフォンのカメラなどでは厳しいでしょう。

しかし恐ろしいのはこんな急な崖に寄らなければいけないというのに、手すりなどが一切なく、足元も滑りやすい岩のままだということです。写真にそんな柵などが写ってしまっては興醒めもいいところですが、ちょっと足を滑らせればもう命はないことでしょう。今までにここで命を落とした人というのはいないのでしょうか。
Big John's Texas BBQ
ということで、ちょっとしたハイキングと絶景を楽しんだ後はホテルにチェックインしてくつろぎ、子供達のエネルギー発散のためにホテルの屋外プールへと行ってみました。この日の気温は35℃ほどあったので絶好のプール日和だったので私も入ってみたのですが、上がってみてびっくりしたのはものすごく寒いことでした。どうやら湿度が9%と非常に乾燥しているので、一気に蒸発する水の気化熱により体温が急速に奪われてしまうためのようです。もちろん乾いてくればまた暑くなるのですが、これには驚きました。

最後に、この日の夕食はBig John’s Texas Barbequeというところでバーベキュー料理を食べることにしました。この店はガソリンスタンド跡地の屋外で大屋根の下にピクニックベンチを並べて営業しており、道路際に大きなバーベキューグリルが設置されています。メニューはビーフ、ポーク、チキンのバーベキューをサンドイッチにしたりナチョスに載せたりしたものと、ポークリブ、ホットドッグなどがメインとなっていますので、私達はポークリブのフルラック、ビーフナチョス、ホットドッグ、サイドにコールスローを注文して家族4人で分けました。これらはどれも非常に美味しくて、普段あまり肉は喜ばない妻が特に気に入ったようです。特に良かったのがポークリブで、もちろん肉の味や柔らかさなどは言うことのないものだったのですが、リブの1本ずつに予め切ってくれていたので食べやすかったのと、バーベキューソースはテーブルにあるものを好みでつけるスタイルだったのでよくあるソースまみれのものではなく肉の味自体を楽しむことができたのがポイントではないかと思います。私達は大変満足しましたが、こういったバーベキュー料理もアメリカ独特のものなので、日本ではなかなか楽しむことはできないのでしょうな。

ということで、これからペイジを訪れる方には、Big John’s Texas BBQとRiver’s End Cafeはお勧めです。 (続く)