工業製品には耐用年数というものがあります。
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私の自宅はいわゆるマンションの一室なのですが、無駄に広いルーフバルコニーがあって、リビングルームからバルコニーに出入りするためのドアがあります。このドアには適切な速度で自動的にドアを閉めるための「ドアクローザー」が付いているのですが、最近このクローザーのダンピングが効かなくなってきて、勢いよく閉まるようになってしまいました。築30年近くになるマンションなのでこういう事があちこちで起こってくるのでしょうが、今までよく持ったとも言えるかもしれません。

何も考えずに扉から手を放してしまうとバタンと大きな音を立てて閉じることになるのですが、ガラスが入ったドアなのでいつか割れてしまうのではないかという心配もあり、逆に中途半端に気を使って手を挟まれるようなことにもなっていて、なによりかなり大きな音を立てるので、家族がみな結構なストレスを感じていました。クローザーを見ると本体から油が漏れてきているのでそれが原因と思われるため、クローザーを交換すればいいはずで、それなら自分でもできるのではないかということで、時間を持て余し気味のこのゴールデンウィークにピッタリの作業でもありますし、得意のAmazonで購入して交換してみることにしました。

もともと付いていたのは本体カバーの印字によるとリョービドアマンという製品らしく、調べてみると玄関・勝手口用のS-102Pというものが該当するもののようなので早速注文し、今朝届いたので交換してみました。

なお、Amazonでは色によって1000円ほどの幅で価格が異なっていますが、これまで付いていたのが最も安いアイボリーだったので助かりました。また、交換後に近所のホームセンターで参考までに見たところ、アイボリーは在庫しておらずチョコのみで、価格はAmazonとほぼ同じでした。

これまでのものを外して見比べてみるとあちらこちらで改良や原価低減されていて違いがありましたが、基本的には互換性のある製品なので交換はいたって簡単です。本体付属の説明書は新規に取り付ける場合の説明になっているので、型紙を当てて取り付け用の下穴を空けたりと工程が多くなっていますが、交換するだけであればドライバーでネジを5本外して取り外し、新しいものを元通り取り付けるだけなので、ものの数分で終わる作業でした。また、一部部品は従来のものをそのまま使っています。

閉じる速度は前半と後半を独立して調整できる機構になっていますが、とりあえず初期状態のままで試してみたところ、特に問題ないようなのでそのまま行くことにしました。交換後はもちろんダンピングが効いて最後はゆっくりと閉まるようになり、これまでのストレスが一気に解消されました。まだ慣れないので思わず手を添えて締めてしまいますが、すぐにそんなことは忘れてしまうことでしょう。ということで、5000円足らずの出費と僅かな時間でかなり快適になりました。

ちなみにこの製品は1981年度のグッドデザイン賞と1996年度のロングライフデザイン賞を受賞しているとのことです。ロングライフデザイン賞というものの存在は寡聞にして知りませんでしたが、

これから生まれるデザインの手本となりうる、時代を超えてスタンダードであり続ける商品・建築・コンテンツ・サービスなどを表彰します。

ということだそうで、この受賞からさらに20年以上の長きに渡って使われ続けているというのはまたすごいことではないでしょうか。なお、過去の受賞作品を見ると馴染みのある製品が多数並んでいますが、その中には私も20年ほど愛用しているHHKBも含まれていてちょっと嬉しくなりました。