日本人にはまだ早いのか。

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かなり久しぶりの記事となってしまいましたが、アメリカでは今年最大のヒット作となった映画「バービー」を先日観てきました。同時期に公開されていた、原爆の父Robert Oppenheimerの伝記的作品であるChristopher Nolan監督の「オッペンハイマー」と本作をかけあわせたBarbenheimerというのがミームとなっていて、「バービー」のアメリカ公式アカウントがこれを用いてキノコ雲が描かれた画像とともに投稿したことから日本では反感を招き、そちらのほうが話題になってしまうというようなこともありましたが、ここではあえてそれについて意見は述べないことにします。

さて、本作はアメリカのMattel社が1959年から販売しているいわゆるバービー人形が主人公の物語で、主役のBarbieはMargot Robbieが演じています。Margotといえば「スーサイド・スクワッド」のHarley Quinnですが、大振りな演技でBarbie役もぴったりハマっているように感じました。

Barbieの相手役といえばKen、ということは私でも知っているくらいのことですが、それを演じているのはRyan Goslingです。本作ではかなりサムいところもある役柄ですが、それを適度にわざとらしく見せるところはさすがという感じです。

舞台となっているのはBarbieたちが住むBarbielandという世界で、ここではすべての物事が女性中心で動いており、それが私達の実社会とは鏡写しであるようになっています。しかし実際には男性は女性の助けがなければ何もできないのに対し、Barbielandの女性(Barbie)たちは自立していて男性(Ken)はただ何もせずフラフラしているだけ、というようなことをはじめ、様々なことが皮肉的に描かれており、男性としてはなかなか観るのが辛いところもあります。

しかしこういう作品がヒットしてしまうというところがやはりアメリカなのだなあと感じざるを得ません。日本でも女性の社会進出は少しずつ進んできてはいますが、まだまだ人々の意識が変わるには時間がかかるのではないでしょうか。本作を観ると、平等、多様性といったことについて色々考えさせられると思うのですが、まずは観ようという気になるところから始めなければどうしようもありません。