The Guardian“So others may live.”

日本でも最近、海上保安官の人命救助を中心に描いた同名のマンガを原作にした映画「海猿 -UMIZARU-」やその続編のテレビドラマなどが流行っていたので、最初はてっきりそのハリウッドリメイク版かと思ってしまった「守護神」ですが、時期的にそんなことはありえないので設定が似ているのは単なる偶然なのでしょう。こちらはアメリカの沿岸警備隊(U.S. Coast Guard)の海難救助隊員、レスキュー・スイマーを主人公とした映画ですが、今年2月に公開されたこの作品が早くもレンタルで準新作扱いとなったので、TSUTAYA半額セールの先週末に借りてきて観てみました。

守護神
監督:アンドリュー・デイヴィス
ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント (2007/06/20)
ISBN/ASIN:B000OPPTLG

アメリカは軍組織が非常に複雑ですが、沿岸警備隊国土安全保障省の管轄下の軍事組織、いわゆるアメリカ5軍の一つだそうです。海に関わるものだけでも海軍海兵隊などもあって日本人の私にはピンと来ませんが、日本で言えばこれらが海上自衛隊に相当するのに対し、沿岸警備隊は海上保安庁に相当する組織であるというのは間違いないでしょう。何しろ海保の英語名は”Japan Coast Guard”だそうですから。

さて、映画の方はKevin Costner演じるベテラン・レスキュー・スイマーBen Randallと、彼が訓練学校で教えることとなる成績優秀な生徒、Ashton Kutcherが演じるJake Fischerとが最初は反目し合いながらも次第に強固な信頼関係を築き上げていく、というような話を中心にしたものですが、基本的には迫力溢れる救援シーンや訓練の様子を描いたアクション映画なのではないでしょうか。Benが抱える事故のトラウマや仕事中心の生活で妻に逃げられるエピソード、JakeとEmilyの恋の話なども織り込まれてはいますが、ほとんど本題とは無関係です。

Jakeと恋に落ちるEmilyはMelissa Sagemillerが演じていて、文句のない美人なのですが、Melissaはこれまでに何度かKirsten Dunstと共演しているようなので私もすでに観たことがあるはずなのに全く見覚えはありません。これから観るつもりで既に借りている”Get Over It“(「恋人にしてはいけない男の愛し方」)では準主役級のようなので、さすがに気付かないということはなさそうですが…

さすがに救助シーンは相当な迫力です。実際にそんな場面に遭遇したことはもちろんないので、これが大げさな演出なのか、本当はこれどころではないというものなのかはわかりませんが、本当にこんなところで救助活動に従事している人がいるのだとすれば尊敬せずにはいられない、相当に過酷な環境です。荒れる海をこれだけの迫力で演出できるというのも技術の進歩あってこそのことで、これまでは作りたくても作れない映画だったのかもしれません。

訓練シーンもとても私には耐えられるとは思えないハードなものですが、日本の海上保安庁でもこのような訓練が行われているのでしょうか。これだけでも尊敬に値します。自分を犠牲にする、と言うのは簡単でも実際に行動するとなると難しいのが実際で、それには厳しい訓練の裏付けが必要なのだと思いますが、この映画を観て自分もこの道に進みたい、という人が多少でもいると撮影に協力した沿岸警備隊も願ったり叶ったりでしょうね。