谷瀬の吊り橋長い吊り橋があるだけなんですが。

小旅行最終日の3日目は「いつか子供達を連れて行きたい」と思っていた「谷瀬の吊り橋」です。

私は以前、奈良県出身の同期入社の友人に連れられて行ったことがあったのですが、鉄線の吊り橋としては日本最長というこの吊り橋は、村としては日本最大の面積を持つ奈良県吉野郡十津川村にあります。紀伊山地の山深い中にある村なので、まさに陸の孤島といった感じのアクセスの悪さで、高速道路はもちろん鉄道などもありませんので、途中でセンターラインが消えることもしばしばの国道168号をうねうねと走っていくほかありません。前日既にかなりの距離を走っていた私にはなかなか応えるものがありましたが、途中で引き返すのも辛いので前へ進むしかない、といったところでした。また、白浜からは中辺路、熊野本宮などを通って行くことになりますが、世界遺産を間近にしながらも関心があるのは私だけなので横目に通り過ぎていきました。まあこれはそのうちまた訪れることがあるでしょうから、その時にゆっくりということで断念です。

吊り橋のすぐ近くには500円の有料駐車場があるので、車はそこに停めていよいよ吊り橋に行ってみると、立て看板には「同時に20人以上が渡ると危険」という旨の注意書きがあるのに既にそれ以上の人が渡っていて、袂にいる警備員も「どうぞどうぞ渡って!」と全く意に介していません。まあ天気がよく風もなかったので大丈夫ということだったのでしょう。

ということでビクビクの次男の手を取って渡り始めましたが、長男は全く平気で一人でどんどん先へ行ってしまいます。足元は木の板と金網になっているのですが、この板がところどころ割れていたり、板を留める針金が無くなっているところがあったりとなかなかのスリルがあり、高いところがダメな人は一歩も踏み出せないかもしれません。私は高いところが怖いということはないのですが、左右に揺れて足元が安定しない上に、左右の柵の高さが胸より下の辺りまでしかないので下手にバランスを崩すと落ちてしまうのではないかという怖さがありました。まあ実際に誰か落ちたことがあるということならこんなお手軽な雰囲気にはなっていないだろうということではあるのですが。

また日本最長と謳うだけあって渡り始めてみると実に長いのに驚きました。そろそろ終わりかと思って前後を見るとまだ半分も来ておらず、一体いつになったら対岸に着くのかと途中でうんざりしてしまい、途中緊張が解けないので一往復もすれば十分堪能した気になれます。誰に頼まれたわけでもなく自分で求めてきたのにこんなことも言うのもなんなのですが。

ということで、高いところが好きな人は一度行ってみて、橋の上から大自然を眺めるというのもいいかもしれませんが、高所恐怖症を自認する人には絶対お勧めできません。途中すれ違った女の子は泣き叫びながら両親に脇を固められていましたが、これは下手すると児童虐待ですよ…