The A-Team「特攻野郎」だなんて誰が考えたんだか。

父の転勤でイギリスにいた中学の頃、言葉はよく分からないながらも楽しみにしていたテレビ番組といえば音楽ヒットチャート番組のTop of the Popsと、アメリカのアクションドラマシリーズなどでした。これらのドラマは日本でも同じように放映されていたのでご存じの方も多いかと思いますが、中でもお気に入りは人工知能K.I.T.T.を搭載した自動車Knight 2000が活躍するKnight Riderでしたが、それに次ぐのがThe A-Teamです。日本では「特攻野郎Aチーム」というよく分からない枕詞が付いていたようですが、確かにイメージを良く表しているかもしれません。

なんとそのThe A-Teamが昨年映画化されたということでちょっと楽しみにしていたのですが、公開時には最寄りのシネコンでは上映されなかったようでついつい見逃してしまっていました。その後レンタルが始まっているのにも気付いてはいたのですが、そのままズルズルとタイミングを逃してしまい、結局今週末TSUTAYAの旧作100円セールがあったのがきっかけでようやく借りて観ることができました。その映画版のタイトルは「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」という最近よくあるテレビドラマの映画版と同じ手法になっています。

特攻野郎Aチーム THE MOVIE(無敵バージョン) [Blu-ray]
監督:ジョー・カーナハン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2011/06/22)
ISBN/ASIN:B004X3Z3IE

The A-Teamといえばまず軽快なマーチ風のオープニングテーマ曲ですが、残念ながらこの映画では一部でモチーフに使われる程度です。あの曲を聞くと最初から気分が盛り上がるのですが、そうはいきませんでした。しかし、物語の冒頭ではAチーム誕生のいきさつが描かれており、今までなんだかよく分からない無法者集団のようなイメージしかなかったAチームの存在を理解できるようになった気がします。

テレビドラマでもそうだったのですが、Aチームのメンバーひとりひとりは各分野の最高最強の人物のはずなのに、皆強い個性を持っていてやり取りが愉快なので全く凄さを感じさせず、妙に明るい所が特徴と言えるのではないでしょうか。命を賭けて戦っているはずなのに悲壮さどころか真剣味さえあまり感じられず軽い感じがします。それこそがこのシリーズの特徴ということなのでしょうか。とはいえ、今回AチームのリーダーであるJohn “Hannibal” Smithを演じるのはQui-Gon JinnことLiam Neesonで、TVシリーズのHannibalのようにふざけた変装などをしていないこともあって、ユーモア担当は他の3人ということになっているようです。

アクションの方は映画版だけあって相当大掛かりなシーンがいくつもあります。中でもクライマックスのコンテナ埠頭の場面はかなりの迫力です。ただし、各メンバー自身のアクションはそれほど派手なものではないのですよね。そのあたりが生身の人間を感じさせていいのかもしれません。全体的には小気味よくアクションシーンが次から次へと盛り込まれていて、軽快なテンポで進んでいって楽しいのではないでしょうか。

ということで、じっくり腰をすえて観るような作品ではありませんでしたが、まさしくテレビの「特攻野郎」を観るような感じで気楽に観たら楽しめるかと思います。なお、エンドロールの最後には懐かしいテーマ曲が流れますし、その後にもちょっとしたシーンがありますのでDVDなどで観る人もお見逃しの無いように。