North American International Auto Show一度で十分と昨年言いながら、再び来てしまいました。

ミシガン州最大の都市デトロイトですが、デトロイトといえばやはりなんといっても自動車の街です。アメリカのビッグスリーの3社とも本拠地をここに構えているのがなぜなのか私は知りませんが、住民に占める自動車産業に関わる人の割合は非常に高いものになっており、私もその中の一員になったというわけです。フリーウェイからは世界中の自動車部品メーカーの建物が見えますし、私の勤務先オフィスの周りも部品メーカーとなっています。

さてそんなデトロイトで毎年開催されている北米自動車ショー(NAIAS)には去年も出張中に行ってきたのですが、今年も赴任がちょうどそのタイミングだったので連れて行ってもらうことになりました。昨年は業界内覧日(Industry Preview)だったためディーラーなど業界関係者のみの参加で落ち着いたものでしたが、今回は一般公開日(Public Show)に行ったためかなり雰囲気が違いました。今回行く前にチケットの値段を見てちょっと驚いたのですが、一般公開日のチケットが$12で売られているのに対し、業界内覧日のチケットは$95もして、なんと8倍もの値段になっているのです。ただし、これはプレミアムというのではなくて、協賛金としての意味があるようなので、それを聞くと納得は出来るのですが、この値段を聞くと物見遊山で行っていた去年の私達がちょっと申し訳なくなってしまいました。

それはともかく、今回は10時過ぎに到着したのですが、今回も会場となっているCobo Centerの屋上駐車場には長い列ができていました。20分程度並んで車を停めて会場に入ると、中の賑わいは昨年とは大きな違いがありました。まず、一般公開日ということで自動車好きな地元の人達がたくさん駆けつけていて、それぞれ非常に楽しそうだったり興味深そうな表情をして目をキラキラさせているのです。また、アメリカの自動車産業が上向きであるということも昨年との大きな違いで、FordGMChryslerのビッグスリーの展示には大変力が入っていて、多くの人達で溢れかえっていました。

特に元気があったのはFordで、K君に言わせると「潰れていませんからね」ということですが、入り口の直ぐ側に陣取って広大なスペースにたくさんの車を並べていました。東京モーターショーのようにはコンパニオンはいませんし、派手で凝った展示も特にないのですが、3色のMustangが並んでいるだけでもカッコよく、人々の目を惹きつけてしまうのは何なのでしょうか。特にアメリカのオジサンたちはやはりマッチョなアメ車が大好きなようで、Mustangの他、CorvetteChallengerといったアメリカンスポーツカーやピックアップトラックにはたくさんのオジサンが群がっていました。

一方日本のメーカーの展示は各社さまざまといった感じで、トヨタは震災の影響もあって販売台数世界一の座から陥落したとは言え、トップメーカーとして見栄えのする展示で、見ている人たちは外国の車であることをあまり意識していないのではないかという感じでした。一方酷かったのは日産で、単に車を並べているだけといった感じで全く力が入っていないのがまるわかりでした。そんなものは見ている方も面白くありませんし、私も目の前を素通りしてしまいましたが、それでも今年も出展していない三菱自動車スズキよりはマシなのでしょうか。

また、ヨーロッパ勢はそれなりという感じでしたが、中国メーカーが姿を消し、代わりにTeslaVIAといった電気自動車専業メーカーの展示がさらに目立つようになっていたのも時代の流れでしょうか。もはやハイブリッドはプリウスのお陰でコモディティ化しつつあり、特別な技術という感じではなくなってきてしまいましたから、必然的な流れなのかもしれません。

ということで見てきたわけですが、今回は自分のカメラを持っていくことができたため、仕事の一環ということを忘れて趣味に走りがちになってしまいました。ちょっと面白かったのは、FIATのコーナーにABARTHのタイトな革ツナギを来たセクシーなコンパニオンがいて、男性客らから大人気となって記念写真を撮られていたのですが、一緒に写真をとってもらっているオジサンがしっかり腰に手を回してしまっていることでした。日本ではそんなことをしたら捕まってしまうのではないかと思いますが、そういうお国柄ということなのでしょうね。もっとも、そのお姉さんが後ろを向いたときに一瞬「ウェ」みたいな顔をしたのを私は見逃しませんでしたが…