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Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales

最後のシーンは感動的です。

今週はJohnny Deppも来日してプロモーションをしていたようですが、6年ぶりにCaptain Jack Sparrowがスクリーンに帰ってきました。前作「生命の泉」の公開は2011年の5月で、私がアメリカに赴任する前なので余計にだいぶ前のことに感じます。前回は小学校6年生だった長男と一緒に観に行きましたが、その長男も今や高校3年生になり、一応誘ってはみましたがさすがに一緒に行ってくれなかったので、仕方なく今回は一人で観ることにしました。ただし、公開初日の今日はちょうど毎月1日の映画サービスデーなので1100円で観ることができました。

シリーズ5作目となる今作「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」は、ストーリー的に前作よりも3作目の「ワールド・エンド」との繋がりの方が強いものとなっているようです。4作目には登場しなかったWill TurnerとElizabeth Swannの息子、Henry TurnerがJack Sparrowに次ぐ主要な役柄となっていて、そのHenryが父Willに掛けられた呪いを解くためにその鍵を握るJackを探し出すのが物語の始まりとなっていることからも言えることです。といっても、私も3作目のストーリーなどほとんど忘れてしまっていましたが、それでもまったく問題なく楽しむことができました。ただ、これまでの作品を一度観ておくとより楽しめる、ということは言えると思います。

なお、邦題は「最後の海賊」となっていて、今年公開の「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」に似せたようになっているのが少々気になります。現代の”Dead men tell no tales.”というのは「死人に口なし」に当たることわざですが、セリフとしても登場するのでこれは大事にしてほしかったようにも思います。まあ、そのまま「死人に口なし」では時代劇のようですし、「デッド・メン・テル・ノー・テイルズ」では特に子供が分からないので仕方ないでしょうか。

ということで、やはりこのシリーズは娯楽作品として非常によく出来ていると思いました。笑いあり、戦いの緊張感・迫力あり、感動あり、とディズニーならではの完成度の高さです。Rotten TomatoesのTomatometerは29%と、かなり辛口の評価になっており、観客の満足度も66%と振るいませんが、アメリカ以外での興行成績は悪くないようです。ちなみに音楽はこれまでのHans ZimmerからGeoff Zanelliに交代しているのですが、作風は継承していてまったく違和感はありませんでした。長男だけでなく私もこのシリーズの音楽は大好きなので、さっそくサウンドトラックを購入したのでしばらく聞いていたいと思います。

パイレーツ・オブ・カリビアン / 最後の海賊 オリジナル・サウンドトラック

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Logan

ヒーローだって年を取ります。

LoganといえばX-Menの中心人物の一人であるWolverineですが、アメリカで次男が通っていた小学校がLogan Elemetary Schoolというところで、かつ住んでいたミシガン州の「州の動物」や住んでいたアナーバーにあるミシガン大学のマスコットがWolverine (クズリ)だったりとなんとなく色々関わりがあるのですが、だからと言ってどうというわけではありません。ただそのWolverineを主人公に据えたX-Menシリーズのスピンアウト三部作の最後、映画「LOGAN/ローガン」を観てきたという話です。

舞台は2029年、今から12年後のアメリカ、テキサス州のメキシコとの国境辺りです。近未来の話ではありますが、ちょっと車が未来的なデザインになっていたりするくらいで現代とはほとんど変わりません。ただ、変わっているのは登場するWolverineやProfessor Xが年を取ってしまっているということで、その姿は結構ショッキングです。この時点で25年間新しいミュータントが生まれていないということもあり、かなり絶望的な空気が漂っています。

そんな状態からどのように物語が進むのかということですが、終わってみると心温まるところもある、なかなかいい映画だったと思います。ただ、日本ではR15、アメリカではRのレイティングとなっており、結構な残虐描写が含まれています。これによって特にアメリカでは観客をかなり制限することになってしまっているのでしょうが、これは登場人物らの残忍性をしっかり表現するためには必要なものなのではないかと私も思います。

主人公のWolverine/LoganことJames Howlettはこれまで通りHugh Jackmanが演じていますが、Wolverine役で大当たりとなった彼にとって年老いて衰えたLoganを演じるというのはどういう思いだったでしょうか。また、Professor Xを演じているのはPatrick Stewartで、彼ら二人とも実年齢よりも20歳ほど老けた役となっていますが、二人ともこの作品がX-Menシリーズでの見納めとなってしまうようです。また、謎の少女Lauraの役で存在感を示しているのはDafne Keenという12歳の少女です。実年齢相応のかわいさのある彼女ですが、イギリスとスペインのハーフらしくラテン系の顔立ちをしているのでメキシコ人の役でもまったく違和感はありません。また今後が楽しみな子役が出てきたのではないでしょうか。

ということで、今作ではWolverineらもかなり酷い目に遭ったり、衝撃的なシーンも多々あるので観ていて辛いところもあったのですが、終盤にはとても美しいシーンもあり、とても見応えのある作品になっているのではないかと思います。少なくとも、アメコミものにありがちなヒーローがやたら強い薄っぺらいものとは一線を画した、ドラマとして観られるものになっているのではないでしょうか。

Arrival

これが本当のサイエンスフィクション。

先週末公開された映画「メッセージ」は、予告にも登場する宇宙船の形状が米菓のばかうけに似ているということで巷では話題になっているようですが、これに対して監督が「ばかうけに影響を受けた」とジョークで応えたり、ばかうけの販売元が「”メッセージ”が”ばかうけ”しますように!」と大ヒット祈願したりと変な盛り上がりをしているようです。しかし私はこれとは無関係に、以前読んだ「あなたの人生の物語」が原作になっているということで観たいと思っていたのですが、地元シネコンでは平日には早退しなければ観られない時間かレイトショーでしか上映されていなかったので、先週末は都合が合わなかったので今日の夕方まで観ることができませんでした。

原作を読んだときにはこの作品を原作にしてどう映像化するのかと思っていましたが、まったく違和感もわかりにくいこともなく、非常に自然に映像作品となっていて素晴らしいです。結末部分は原作から少々アレンジされているようでしたが、それまでの部分はとても忠実に描かれており、そしてその結末部分も原作から大きく外れることはなく、むしろ原作の難しかった部分がわかりやすく説明されているように感じました。

突然地球上の12か所に同時に現れた宇宙船らしき物体で、宇宙人らしきものとコミュニケーションを図るために米軍に呼ばれたのがAmy Adams演じる主人公の言語学者Louise Banksで、科学面での分析のために呼ばれたのが理論物理学者のIan Donnellyで、こちらはJeremy Rennerが演じています。その「宇宙人」の音声は単語になっているのかさえわからず、どこから手を付けるべきかもわからない状況ですが、一方で米軍はその「宇宙人」がどこから来たのか、その来訪の目的は何なのかを一刻も早く聞き出すことを求めてきます。

しかし、実際に異星人と接触するとしたらこうなるのではないでしょうか。よくあるSF映画ではいつの間にか宇宙人と対話が成立していたりしますが、文化も科学レベルも違う相手とのコミュニケーションはそうそう簡単に成り立つものではないでしょう。まあそれ以前にいきなり対決姿勢になっているものも多いですが、それも実際ありうることでしょう。どんな星の言葉でも通訳できてしまう機械翻訳機があるという世界の作品もありますが、そんなものは魔法と大差ありませんね。ちなみに私が大好きなスター・ウォーズは、SFはSFでもスペースファンタジーの略なので別枠です。

ということで、この作品は極めてシリアスなサイエンスフィクションになっています。そんなことはありえないとわかっていても、なんだか納得できてしまう、そういうバランスが上質なSF作品の証でしょう。