本当は買わない方が良かったのかもしれません…

先日とある書店に行った際、何か面白そうなものはないかと雑誌コーナーを眺めていると、見慣れないちょっとしゃれたデザインの表紙が目に留まりました。「家電批評」というちょっと硬めな名前ですが、その後ろに”monoqlo”というのが付いている「家電批評monoqlo」というムックなのですが、発行元は嫌韓流Windows 100%などの晋遊舎でした。

家電批評monoqlo VOL.4 (4) (100%ムックシリーズ)
発行:晋遊舎
晋遊舎 (2008/01)
ISBN/ASIN:4883807207

パラパラとめくってみるとなかなかディープな内容になっていて面白そうだったので購入したのですが、その中でも楽しめたのが特集の「家電史に刻まれる『神機』特別な存在」というものです。「神」というのは素晴らしく、希有な人・物を指す一種のスラングのようなものですが、特に機器について言うのが「神機(かみき)」です。本誌では冒頭で

弊誌においては画期的な進化を遂げた製品、または突出した性能を持つ製品を「神機」の定義としている。つまり、ある製品ジャンルを極めようとして研究した結果に生まれた製品なのだ。

としています。

この特集では様々な分野にわたる一般消費者向けの電器・電子製品について52社102製品を紹介しているのですが、このうちメーカーが保有していたものは41製品に限られ、残りのものについてはオークションなどで入手する必要があったそうで、メーカー側がその製品に対して持っている認識と、ユーザ側の評価が必ずしも一致していないことを表しているようです。まあ、営業的には必ずしも成功とは言えないということも多々あるものなので仕方のないことかもしれません。

ここで取り上げられている数々の「神機」を見ていくと、「ああこれ欲しかったな…」というものがいくつもあって懐かしいような感じもあるのですが、実は私が持っていたというものは一つも無いということに気付き、ちょっとした落胆がありました。まあ未だにiPodもShuffleしか持っていなかったり、Dysonのクリーナーが欲しいと思っても結局安い国産のなんちゃってサイクロンで我慢してしまったり、なんだかんだで我慢や妥協が多いので当然の結果かもしれません。衝動的に買おうとして思いとどまったというものや、いつか買うつもりだったというものが結構多いのです。

この特集以外にも、各社の最新携帯電話を細かく比較していたり、業界の裏話的なものが載っていたりして色々楽しめるのですが、この雑誌で重要なことは家電メーカーの広告が一切掲載されていないということではないかと思います。多くの雑誌にとっては雑誌自体の売り上げよりも広告収入の方が重要であったりするので、広告主の機嫌を損ねないよう批評に手加減があったり、単なる提灯記事となっていたりで全く批評があてにならなかったりするものですが、本誌の場合はそういう心配はありません。それどころか、その他の広告もほとんど入っておらず、かなりカラーページが多いのにこれで採算が取れているのだろうかと無用な心配をしてしまうくらいです。620円という価格は若干高めかもしれませんが、モノ好きな人にとっては表紙に書かれている通り「完全永久保存版」となるものではないでしょうか。実は私は「ヘッドホンの買い方」というページを見てしまってやや後悔しているところですが…