日本列島が好天に恵まれたこの三連休、学生時代の友人の結婚式があるということで、私は東京の実家に帰ってきています。何もなければ一家で来たいところでもあるのですが、長男の学校の音楽会があるので今回は私一人での帰省となりました。「音楽会には行かなくていいのか?」というのは長男も苦手で嫌々なので「来ないでくれ」ということなので大丈夫です。

ということで、せっかく東京まで出てくるのでちょっとは遊びに行こうと1日早くやってきました。なかなか東京で一人でうろうろする機会はありませんから、こういう時には家族を付き合わせづらい、子供受けの悪いところを狙うことになりますが、今日はなんとなく、まずは都電荒川線に乗りに行ってみることにしました。

都電荒川線といえば東京に唯一残る路面電車ですが、路線は早稲田から北東京をまわって三ノ輪橋までとなっています。私の実家は東急田園都市線沿線なので、渋谷から副都心線に乗って雑司ヶ谷まで行き、そこから早稲田の電停まで線路沿いを歩いて電車に乗りました。ここから終点まで1時間弱の旅でしたが、どこまで乗っても160円というのはなんだかお得な感じです。

電車は5分おきくらいに走っているようでしたが、乗客は結構いっぱいです。お年寄りの割合がかなり高いように感じましたが、本当に地域に必要な交通機関となっているのではないでしょうか。お年寄りが多い割に座席の数が少ないのが少々気になりましたが、狭い車内なので仕方がないのでしょう。

残念ながら路線のほとんどは専用軌道で、自動車との併用区間はごくわずかなので路面電車らしさは今一つですが、遮断機のない踏切を通過する時に最徐行したり、道路を横断する時は自動車の方が優先だったりといったところは都電ならではというところでしょう。車輪が小さく、またレールの精度があまり良くないせいかスピードを上げると左右にうねるように揺れるところも路面電車らしい乗り心地で、それはそれで風情があると言えなくもありません。

まあ普段乗っている人にとっては今更語るほどのことでもないのでしょうが、私も長いこと東京にいたのに都電にまともに乗ったのは初めてのような気がします。もともと北東京にはほとんど縁がなかったということもありますが、他の交通機関も充実している東京であえて都電に乗るというのは地元の人でなければないのではないでしょうか。こうしてたまに乗ってみると都電ももっと残しておいても良かったのではないかと思いますが、実際には東京ほどの人口密度になると現実的ではないのでしょうね。