Willer Express貧乏臭さは全くなし。

この週末に中学校の時の同窓会が行われることになり、私は今東京に向かっているところです。同窓会のきっかけとなったのはFacebookで同級生の繋がりが急速に広がり、自然と「集まりたいね」という話が盛り上がってきたためですが、こういう現実の友人関係を取り持つことこそがFacebookが目指しているものであり、今回はその存在意義を果たしたものといえるのではないでしょうか。これまで他のSNSや古くはパソコン通信の時代からでも「オフ会」というようなものはありましたが、それとは全く違うものです。

それはともかく、「今向かっている」と書いたのはまさにその道中でこの文章を書いているからなのですが、私が今乗っているのはウィラートラベルの運行する、いわゆる夜行バスです。なかなか眠れない夜行バスをこの年になって利用するのはいくら安くても抵抗があるものですが、今回利用しているのは「コクーン」という特別なシートタイプの車両なのです。この車両のことをどこかで知って以来、一度乗ってみたいと思っていた希望を自分で叶えてみたというわけです。

通常の夜行バスであれば私の自宅の最寄駅からでも出発していて、それを利用するのが一番楽なのはわかりきったことなのですが、そのバスには何度も乗ったことがありますし、特に面白いものでもなく、毎回ほとんど眠れずに辛い思いをしています。一方、今回のコクーンのバスは東京・大阪間のみの運行となっており、バスに乗るためにわざわざ新快速で大阪駅まで出るという面倒な事になっています。また、夜行バスは出発が遅いことでギリギリまで時間を有意義に使えることもメリットの一つであるはずですが、それも全くフイにしており、さらに電車賃まで余計にかかるということで、今回はいろいろ犠牲にしてわざわざコクーンに乗っています。

しかし、大阪梅田スカイビルにあるターミナルはかなり未来的、というかレトロフューチャーな感じのインテリアになっていて、若者好みな感じになっています。やはり客層の中心は体力に余裕のある20代男女といったところでしょうから、狙いはいいのではないでしょうか。予約自体はインターネットで可能で、ここでは乗車前にチェックインが必要となっていますが、そのチェックインも携帯電話でQRコードの画像をダウンロードしておけばそれをチェックイン機にかざすだけでOKという簡単なものです。実際にバスに乗る時にはチェックイン機が発行する乗車券を見せて名前を言うだけ、夜行バスもしばらく乗らないうちにずいぶん洗練されたものです。

ということでバスに乗り込んでみたわけですが、事前にGigazineの記事などの写真で見てどんなものかはわかっていたものの、実際に見てみるとなかなか衝撃的なものです。天井灯が濃いオレンジ色になっていたりして演出も感じますが、ちょっとした異次元空間です。このバスのシートは進行方向に対して30度ほど斜め内向きに配置されていて、全部で24座席ほどしか無いという贅沢な作りになっています。一つ一つのシートはちょうど私が先日乗ったデルタ航空B777のビジネスエリートと同じような形状になっていて大きくリクライニングすることができますが、さすがにあれほど広い空間は取れないのでリクライニング角度は140度までとなっており、それぞれの座席空間もやや窮屈になってしまっています。それでもパーティションで仕切られてプライバシーが確保されているというのはいいところです。

また、各座席には液晶モニタが装備されていて、車内エンタテイメントを楽しむことができるそうです。さらにAC電源とWi-Fiでインターネットを利用することもできるので、こうして車内でブログの更新もできてしまうというわけです。私のようなインターネット中毒者には嬉しいことですが、やはり皆寝るつもりで乗っているせいかあまり利用者はいないようですね。

さて、普段のベッドでないと良く眠れない私もこのシートならちょっとは眠れるのではないかと期待しているわけですが、実際どうなるでしょうか。バスというのは飛行機と比べるとまだ静かですが、がたがたと揺れるのがちょっと問題ですね。騒音の方はノイズキャンセルヘッドフォンで遮断できますが、振動の方はさすがにどうしようもありませんね… またもう一つの問題はこのバスにはトイレが装備されていないということです。私自身バス内のトイレは利用したことが無いので、無い事自体は構わないのですが、そのせいで途中3回のトイレ休憩があるのです。そのたびに照明を点けられてアナウンスされたら、どうしても目が覚めてしまうでしょうね…